顕微授精とは?方法・流れ・費用・タイミング・痛みの有無は?

1. 顕微授精はどのようなものなの?

顕微授精とは顕微鏡を使い、精子と卵子を人工的に受精させる方法です。

顕微授精を行う際には、自然妊娠で妊娠できない場合に、用いられる方法です。

ほかに人工的に受精、また夫婦以外の第三者の助けを借りて受精する方法として、人工授精や体外受精があります。

顕微授精によって妊娠できる確率は、10〜15%前後です。

顕微授精を行うに際し、1回あたりの費用は30〜50万円かかり、保険適用はできませんが、状況により助成金を利用できます。

授精と受精の使い分けについて

顕微授精と人工授精の場合には、「授」を使っています。

その一方で体外受精の場合には、「受」を使っています。

これは、誤字ではなく受精させるための状態や手法により「受精」と「授精」を使い分けています。

この2つの漢字の違いは、以下のとおりです。

「授精」の漢字を使う場合

顕微授精のように、精子の泳ぐ能力を使わずに卵子の中に人為的に授精させる場合に、授精の漢字を使います。

こちらから、精子を卵子に授けるという意味で、この漢字を使います。

農家で果物を作る際に、耳かきの後ろにあるような綿毛を使って、人が受粉させる場合にも、授ける方の人工授粉を使います。

「受精」の漢字を使う場合

本来膣や子宮内で射精をして体内受精をするのに対し、体外受精は人工的に外で精子と卵子を受精させます。

こちらも人為的なため、授精が正しいのでは、と思われるかもしれません。

しかし、受精させる行為は、精子の成り行きに任せます。

先の果物に例えるなら、人を介して綿毛で授粉させず、ミツバチや昆虫、風など自然の成り行きに任せる場合、受粉を使います。

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2. 顕微授精とほかの人工的な受精との違いは?

顕微授精などの人工的な受精の対極に位置するのは、自然妊娠になります。

先にも触れましたが、人工的な受精の方法は、人工授精や体外受精があります。

そこで、顕微授精の説明の前に、どのような違いや向き不向きのケースがあるかについて、説明していきます。

人工授精について

人工授精は、男性から精子を取り出して、病院側で処置を行ったあとに、子宮内に精子を注入して、自然妊娠させる方法です。

アルファベットでは略して、AIH(Artificial Insemination by Husband)や、AID(Artificial Insemination by Donor)と呼ぶこともあります。

人工授精の流れ

具体的な流れとしては次のとおりです。

  • 手順1:女性が自然排卵をする日を推測する。
  • 手順2:排卵日に男性は精子を採取して病院に行く。
  • 手順3:雑菌を減らすため精子を洗浄する。
  • 手順4:洗浄した精子を子宮内に注入する。

子宮内に注入後は、精子と卵子の出会いによる受精は、自然に任せます。

人工授精の費用は?

1回あたり約2〜3万円です。

体外受精や顕微授精と比べると最も費用は安くなります。

保険は適用されませんが、費用負担の助成制度を設けている自治体があります。

人工授精の妊娠率はどのくらい?

体質もありますが、一般的に4〜6回人工授精を行うと、約90%が妊娠できます。

しかし、それでも妊娠できない場合、体外受精を行うか判断します。

人工授精に向いている、向いていないケースは?

精子に問題はなく、女性の年齢が高い場合には、人工授精は向きません。

その一方で、女性側に問題はなく、精子の数が少ない、運動能力が低い、乏精子症や精子無力症に人工授精は向いています。

また、精子には異常がなく、性交障害がある、タイミングだけが合わない場合にも人工授精は向いています。

体外受精について

体外受精は、女性の卵子を外に取り出して、体外で受精させる方法です。

アルファベットでは略して、IVH(In Vitro Fertilization)と呼ぶこともあります。

体外受精の流れ

具体的な流れとしては次のとおりです。

  • 手順1:女性が自然排卵をする日を推測する。
  • 手順2:排卵誘発剤を利用して卵胞を成長させる。
  • 手順3:排卵日に病院に行き、麻酔をして採卵する。
  • 手順4:男性から採取した精子から、質の高い精子を取り出す。
  • 手順5:シャーレに精子と卵子を一緒にして自然受精させる。
  • 手順6:数日待って受精卵を子宮内に注入する。

子宮内に注入後は、精子と卵子の出会いによる受精は、自然に任せます。

体外受精の費用は?

1回あたり約10〜30万円です。

人工授精に比べると少し高くなります。

保険は適用されませんが、費用負担の助成制度を設けている自治体があります。

体外受精の妊娠率はどのくらい?

体質もありますが、15〜20%前後です。

しかし、それでも妊娠できない場合、顕微授精を行うか判断します。

体外受精に向いている、向いていないケースは?

精子の質や運動量が極端に悪い場合には、体外受精が向きません。

その一方で女性側に排卵障害を持っている、高齢の方に体外受精は向いています。

また、精子の質や運動量が多少悪くても、受精に問題がない場合にも体外受精は向いています。

3. 顕微授精を行うための基礎知識

顕微授精は、アルファベットで略して、ICSI(intracytoplasmic sperm injection)と呼ぶこともあります。

先に説明しました、人工授精や体外受精を頭に入れていただいたうえで、顕微授精はどのようなものかを詳しく説明していきます。

顕微授精を行う判断基準は?

人工的な受精の方法にも順番があり、いきなり顕微授精を行うことは基本的にありません。

不妊に悩む夫婦の多くは、次の流れで顕微授精を行います。

  • 手順1:自然妊娠で行う。
  • 手順2:自然妊娠でうまく行かない場合、人工授精を行う。
  • 手順3:人工授精でうまく行かない場合、体外受精を行う。
  • 手順4:体外受精でうまく行かない場合、顕微授精を行う。

ただし、病院の先生や夫婦の判断により、変わることもあるため、あくまでも目安としてください。

顕微授精による受精率と妊娠率はどのくらいなの?

顕微授精の場合、卵子と精子が1つずつあれば、基本的に受精することは難しくありません。

もちろん、精子や卵子の質により、受精率や妊娠率は変わります。

受精率は50〜70%と非常に高いですが、これは体に受精卵を入れる前の状態です。

受精卵を子宮内に戻して、正常に着床して妊娠する確率は、10〜15%と低くなります。

この内容を把握したうえで、顕微授精を続けるかどうかを決めることがたいせつです。

妊娠率が下がってしまう原因は?

これは男性側、女性側、そして両方のケースがあります。

つまり、原因が多くなれば妊娠率も下がってしまいます。

あわせて、顕微授精後の着床も難しくなります。

その原因は男女により違いが出ます。

男性側に原因がある場合

精子の量が少ない乏精子症の場合、結果として卵子と結びつく確率が減ってしまいます。

また、精子の運動量が極端に低く、卵子にたどり着くのが難しい精子無力症があります。

また、これらの症状がある場合、精子そのものの遺伝子にも問題が発生していることもあります。

受精したとしても遺伝子の異常により、成長できないこともあります。

女性側に原因がある場合

年齢が高く、卵子の質が悪くなっている場合、妊娠するのが難しくなります。

とくに35歳前後を境に、妊娠率が下がってしまいます。

また、子宮筋腫などにより排卵障害が起きていると、排卵のタイミングがずれることもあります。

男女に共通する原因

不規則な生活、病気、食生活やストレスなど、さまざまな原因があります。

精子や卵子そのものではなく、このような外部要因や間接的な原因で妊娠率が下がっていることもあります。

妊娠率を少しでも上げるためには

すぐに少しずつできることとしては、体質や食生活、生活スタイルの改善です。

精子や卵子の生成にいい、栄養のある食べ物を取るのも1つの方法です。

また、ストレスを少なくして、気分転換に体を動かすことで、体の機能がアップします。

そして、病院の先生と相談をしながら、妊娠しやすいタイミングを探すこともたいせつです。

4. 顕微授精の具体的な流れや手順は?

病院により手法や具体的な手順は変わることもあります。

おもな具体的な流れや手順は以下のとおりです。

手順1:卵子をベストな状態に育てる

必要に応じてピルを服用して、卵子を育ててベストな状態にします。

手順2:排卵誘発剤を服用する

ベストなタイミングで排卵できるように、排卵誘発剤を服用します。

月経3日目頃から服用をはじめます。

手順3:採卵日を決める

卵子が十分に育ち、排卵が起こる直前で採卵を行います。

採卵日の決定は、病院と行います。

手順4:採卵日に採卵を行う

麻酔を行ったあとに、膣から管を通して卵巣から卵子を採取します。

麻酔をしていますが、人により痛みの度合いは異なります。

手順5:精子を採取する

射精を行って精子を出せる場合には、専用の容器に精子を採取します。

射精による精子の採取が難しい場合には、麻酔をして睾丸に針を指して採取を行います。

手順6:顕微鏡を使い受精させる

顕微鏡を見ながら、針を使って卵子の中に精子を1匹注入します。

手順7:受精卵を育てる

3〜5日ほどそのままにして、受精卵が成長しているかを確認します。

手順8:子宮に受精卵を注入する

再び来院して、子宮に受精卵を注入して、顕微授精による対応は終了します。

顕微授精後の対応は?

激しい運動はせず、リラックスするようにしましょう。

また、アルコールやタバコも避けて、不規則な生活もしないことがたいせつです。

性行為も顕微授精後の数日は行わないようにしましょう。

その後、病院で検査を行い、妊娠しているかどうかを確認します。

5. 顕微授精にかかる費用について

顕微授精のように不妊治療の場合、病気の治療ではないため、保険は適用できません。

顕微授精は1回あたり、30〜50万円かかるため、非常に負担が大きくなります。

ただし、お住いになっている自治体により、特定治療支援事業による助成制度を設けています。

助成を受けられる対象や回数、上限額や申請期限が自治体により異なります。

詳しくは、お住いの自治体のサイトや健康福祉課などに確認してください。

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