胚盤胞移植とは?流れ・費用・成功確率・着床や妊娠判定の時期

1. 胚盤胞移植とは?

胚移植の一種である胚盤胞移植は、受精卵を培養してできた胚盤胞を子宮に移植する方法です。

そもそも胚盤胞って何?

受精卵は、細胞分裂を繰り返しながら成長して胚となります。

細胞分裂が進んで、内細胞塊(胎児の体のもととなる細胞)と栄養芽組織(胎盤などのもとになる細胞)に分かれた胚が胚盤胞です。

一般的に受精後約2~3日で初期胚、約4日で桑実胚、約5日で胚盤胞になります。

体外受精・顕微授精との違い

一般的な体外受精・顕微授精の場合、約2~3日培養した胚(初期胚)を子宮に移植します。

胚盤胞移植の場合、胚盤胞を作るために約5~6日の培養日数が必要となります。

体外受精・顕微授精と比べると、胚盤胞移植には以下のようなメリットがあります。

妊娠成功率の上昇

より成長した胚を移植する胚盤胞移植では、体外受精・顕微授精よりも着床率が高くなります。

そのため、体外受精・顕微授精で妊娠しにくかった人でも妊娠成功率が上がるのです。

多胎妊娠のリスクを下げる

通常の体外受精・顕微授精の場合、着床率を上げるために複数の胚を移植することがあります。

その場合、もし全ての胚が着床に成功するとハイリスクな多胎妊娠になってしまいます。

1個の胚移植だけでも着床率が高い胚盤胞移植なら、多胎妊娠のリスクを下げることができます。

ただし、約3%の確率で一卵性双生児になると言われています。

子宮外妊娠のリスクが下がる

卵管内で受精する自然妊娠では、初期胚はまだ卵管内にいるのが一般的です。

初期胚を使う体外受精・顕微授精では、胚が卵管に戻ってしまい子宮外妊娠となる場合があります。

一方胚盤胞は初期胚より成長が進んでおり、移植後早い段階で着床します。

そのため、子宮外妊娠のリスクを下げることができます。

マカ・葉酸サプリを超えた、ピニトール配合の妊活サプリ・ベジママとは?

2. 胚盤胞移植の基本的な流れ

受精卵を作るまでの流れは、一般的な体外受精・顕微授精とほぼ同じです。

卵巣刺激~排卵誘発

卵巣刺激方法にはいくつか種類があり、年齢・体質・予算などに見合った方法を選びます。

方法によってスケジュールはさまざまですが、採卵周期の1~2サイクル前から注射・点鼻薬・内服薬などを投与します。

女性の体への負担を減らしたい場合、薬を使わない(または負担が少ない薬を使う)方法もあります。

採卵・採精

卵胞がしっかり育ったことが確認できれば、採卵を行います。

膣壁から特殊な針を刺し、卵巣から卵子を吸い出して採取します。

卵巣刺激方法によっては、1回の採卵で10個近くの卵子を採取できることもあります。

また、受精当日に自宅または病院の採精室で精液を採取します。

受精・培養

状態のよい卵子・精子を選んで受精させ、約5~6日かけて培養させます。

発育の良い胚が複数できた場合、余った分を凍結しておきます。

胚移植

受精卵が胚盤胞まで育ったら、状態のよいものを選んで子宮に移植します。

専用カテーテルを使って少量の培養液と一緒に胚盤胞を吸い上げ、子宮内膜の表面に置きます。

二段階移植

一部の病院では、二段階移植を受けることができます。

まず初期胚を移植し、その2~3日後に胚盤胞を移植します。

初期胚移植によって着床の準備が整うため、胚盤胞の着床率がより高くなります。

1サイクルで2個の胚を移植することで、より効率よく時間を使えるというメリットもあります。

二段階移植を受ける条件

以下の条件を満たした場合、二段階移植が可能になります。

  • 状態のよい初期胚・胚盤胞をそれぞれ1個以上確保できている
  • 多胎妊娠になってもよい
  • 女性が35歳以上、または35歳未満で2回以上連続で妊娠に成功しなかった

ホルモン投与

着床率を上げるため、胚移植~妊娠判定の間に黄体ホルモンやhCGホルモンを投与することがあります。

妊娠判定

胚盤胞移植の場合、移植後約3~5日で着床が成立すると考えられています。

より確実に判定するため、移植後2週間ほど経ってから血液・尿検査による妊娠判定を行います。

病院によっては、移植後5日ほどで中間判定日を設けることもあります。

市販の妊娠検査薬でフライング検査をする人もいますが、ホルモン製剤の影響で正しい結果が出ないこともあります。

妊娠が成立しなかったら…

凍結卵があれば、次回以降のサイクルで再度移植を行います。

凍結卵がなければ、さらに卵巣刺激~受精を行います。

3. 胚盤胞移植の成功率

胚盤胞移植後の妊娠成功率は、50%に近いと言われています。

ただし、年齢や胚の状態によって個人差が大きいです。

胚盤胞ができる確率

受精卵から胚盤胞ができる確率は、30~50%と言われています。

採卵数が少なかったり胚の状態が良くなかったりすると、胚盤胞移植自体がキャンセルになってしまいます。

4. 胚盤胞移植にかかる費用のめやす

胚盤胞移植そのものの費用は、1回あたり3~5万円くらいが相場となります。

ただし排卵誘発・採卵・培養・凍結胚融解などにもそれぞれ費用がかかります。

そのため、合計すると10万円は軽く超えるでしょう。

さらに、移植を複数回行えばその分費用は高くなります。

助成金制度を活用しましょう

胚盤胞移植には健康保険が適用されませんが、助成金制度を利用して負担を減らすことができます。

不妊に悩む方への特定治療支援事業

胚盤胞移植は特定不妊治療とみなされ、以下の条件を満たすと国から助成金を受け取ることができます。

  • 特定不妊治療以外の方法で妊娠できる見込みがない(またはほとんどない)と診断された夫婦
  • 前年度の所得が夫婦合わせて730万円未満
  • 治療開始時点で妻が43歳未満
  • 国が定める医療機関で治療している
助成金額と助成回数

女性が40歳未満なら6回、女性が40~43歳未満なら3回まで助成されます。

  • 初回の治療…30万円まで
  • 2回目以降の治療…1回あたり15万円
  • 凍結胚を使う場合など…7万5000円

自治体独自の助成制度

多くの市区町村では、不妊治療に対して独自の助成制度を設けています。

助成を受けられる条件や助成内容・金額は、自治体によってさまざまです。

医療費控除制度

その年に支払った世帯全員分の医療費が高額になったら、費用の一部が払い戻される制度です。

特定不妊治療はこの制度の対象となるので、確定申告時に忘れず申告しましょう。

(ただし、助成金の分は差し引いて計算します)

マカ・葉酸サプリを超えた、ピニトール配合の妊活サプリ・ベジママとは?

不妊治療専門の病院を
探す・口コミを見る