淋病(淋菌感染症)とは?原因・男女の症状・感染期間・治療法

1. 淋病とは?

淋病は、性器クラミジア感染症や性器カンジダ症などと比べると、あまり知られていない性感染症です。

しかし、比較的感染力が強い病気で、知らず知らずのうちに感染していることもあります。

男性に感染すると激しい症状があらわれますが、女性の場合は症状がない場合も多いため、注意が必要です。

感染したことに気がつかず、炎症が腹腔内や肝臓周辺にまで及ぶこともあるのです。

今回は、淋病の原因や男女の症状、感染期間や治療方法などについてまとめました。

2. 淋病の原因や感染経路は?

淋病とはどのような病気なのでしょうか?

原因や感染経路についてみていきましょう。

淋病の原因は?

淋菌に感染することで発症する

淋病は、「淋菌」という菌に感染することで発症する性感染症です。

淋菌は精液や膣分泌液、口腔内や粘膜などを介して感染していきます。

淋菌はとても弱い菌で、ヒトの粘膜などから離れると数時間内に感染力が失われると言われています。

感染力が比較的高い

1回の性交渉で淋菌に感染する確率は、約30%程度と言われています。

感染力が比較的高いのが特徴です。

淋病の感染経路は?

多くは性交渉や粘膜同士の触れ合いで感染する

淋病の多くは性交渉で感染します。

キスなど粘膜同士の触れ合いでも感染することがあります。

また、オーラルセックスによって喉に感染するケースもあります。

性交渉以外で感染することも

稀なケースですが、性交渉以外でも感染することがあります。

感染者の性器に触れたタオルなどに触れることで感染したり、トイレの便器を介して感染するケースもあります。

母子感染

出産時に母親が淋病に感染していると、産道を通るときに赤ちゃんに感染することがあります。

3. 淋病の症状は?男女の違いはある?

淋病の症状はどのようなものがあるのでしょうか?

また、男女の違いはあるのでしょうか?

淋病の男性の症状は?

主に尿道に感染する

男性の場合、主に淋菌が尿道に感染することで発症します。

尿道に感染した淋菌を放置しておくと、精巣や陰嚢、肝臓周辺にまで感染が進みます。

男性は症状が激しい

男性が淋病に感染すると、激しい症状があらわれることが多いです。

具体的な症状は以下のようなものがみられます。

  • 排尿痛
  • 尿道から膿がでてくる
  • 精巣上体炎がおこる
  • 陰嚢が腫れ、激しい痛みを伴うことがある
  • 場合によっては歩行困難な状態に

多くの場合、排尿痛から始まり、しばらくすると尿道から膿が出てくるのが男性の症状の特徴です。

男性不妊の原因になることも

症状が進むと、精子の通り道が塞がったり、精巣のダメージがひどくなることで男性不妊の原因になることもあります。

症状がみられたら、早急に治療することが大切です。

淋病の女性の症状は?

主に子宮頸管内に感染する

女性の場合、主に淋菌が子宮頸管内に感染することで発症します。

放置しておくと、子宮や卵巣、卵管や腹腔内まで感染が進みます。

女性は自覚症状がほとんどない

女性が淋病に感染しても、男性のようなはっきりした症状がみられないのが大きな特徴です。

このため、淋病の感染に気づかずに、知らず知らずのうちに淋病を広めてしまっているケースもみられます。

自覚症状がある場合は、以下のような症状があげられます。

  • おりものが増える
  • 不正出血
  • 性器の腫れや痛み

分かりやすいのはおりものの増加ですが、淋病などの性感染症にかかっていなくてもみられる症状のため、気づきにくいものです。

不妊の原因になることも

淋病に気づかず治療を受けずにいると、卵管や卵巣などに炎症が進みます。

これにより、不妊や子宮外妊娠の原因になることがあります。

目に感染する場合も

淋菌に感染しているのを知らずに、性器を触った手で目に触れると、淋菌が目に入って感染することがあります。

淋菌が目に入ることで発症する症状を「淋菌性角結膜炎」とよびます。

淋菌性角結膜炎の症状はかなり辛く、早急に治療をする必要があります。

淋菌性角結膜炎は、以下のような症状がみられます。

  • 目の充血、腫れ、かゆみ
  • 膿のような濁った目やに
  • 視力の低下

症状が進むと、最悪の場合失明することもあります。

目に少しでも違和感を感じたら、すぐに病院を受診しましょう。

男女ともに喉の症状はあまりない

オーラルセックスなどによって淋菌が喉に感染した場合、男女ともに症状があまりみられないケースが多いです。

これは、口や喉には常在菌として「非病原性ナイセリア」という菌が住みついていることと関係していると言われています。

淋菌の正式名称は「ナイセリア ゴノレア」といい、非病原性ナイセリアと同じ種類の菌です。

淋菌は、同じ種類の菌がいるとあまり悪さをしないため、粘膜でも口や喉には症状があらわれにくいのです。

一方、目にはこのような常在菌は存在しないため、淋菌が感染するとかなり辛い症状が出るのです。

性器クラミジア感染症を併発することも

淋病に感染している患者のうち、約半数は性器クラミジア感染症を併発しているというデータがあります。

4. 淋病の感染期間は?

淋病に感染してから、数日から1週間くらい潜伏期間があります。

潜伏期間中も感染する可能性があるため、注意が必要です。

淋病の治療が終わり、淋菌が完全に死滅するまで性交渉やキスなどの触れ合いはやめましょう。

また、入浴は最後にしたり、タオルの共有は避けるなどの配慮も必要です。

淋病の感染が判明した場合は、パートナーも検査・治療を受けるようにしましょう。

5. 淋病の検査方法や治療は?

淋病の検査はどのようにしておこなわれるのでしょうか?

また、治療方法についても説明しましょう。

淋病の検査方法は?

尿や膣分泌液を培養して検査する

淋病の症状がある場合、尿や膣分泌液を採取し、培養して検査をします。

淋菌は非常に弱い菌なので、採取後の検体の取り扱いは慎重におこなう必要があります。

乾燥や極端な温度の変化を避け、なるべく早く検査をおこなうことが大切です。

他の性感染症の疑いがある場合は?

性器クラミジア感染症など、ほかの性感染症の疑いがある場合、これらの検査も一緒におこなう必要があります。

淋病の治療は?

淋病の症状がみられる場合、男性は泌尿器科で、女性は婦人科や産婦人科で治療を受けます。

耐性菌の問題

淋菌には、抗生物質が有効です。

以前はニューキノロン系の抗菌剤が有効でしたが、淋菌に耐性がついてしまい(耐性菌)、日本では20%ほどの効き目しかみとめられていません。

欧米などでは、ニューキノロン系抗生物質の効き目は、まったくないという国もあります。

最近の淋病の治療は、ニューキノロン系の抗菌薬はほとんど使用されなくなっています。

淋病に有効な抗菌薬はあるの?

現在では、スペクチノマイシン、セフォジジム、セフトリアキソンの3種類の抗生物質を投与することで治療します。

これらは全て筋肉注射での投与です。

これらの注射を、効果をみながら投与回数を決定します。

効き目がない場合は、注射の種類を変えたり、投与回数を増やしたりして治療を進めます。

通常、治療の期間は3日~数週間ですが、淋菌の耐性菌に感染してしまった場合、治療が数か月に及ぶこともあります。

また、喉に感染した場合、スぺクチノマイシン系の抗菌薬は効きづらい、あるいは効かないというデータもあります。

治療は必ず最後まで受ける

淋菌は耐性菌の問題が深刻です。

耐性菌は、抗生物質の乱用や、抗生物質を最後まで飲み切らないことで菌が耐性をつけてしまうことで発生します。

治療は最後までしっかりと受けるようにしましょう。