赤ちゃんの溶連菌感染症とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. 溶連菌感染症ってどんな病気?

乳幼児によくみられる病気

溶連菌感染症は、突然の高熱、のどの痛み、全身に真っ赤な発疹が出る病気です。

特に、赤ちゃんや小学校入学前の子どもによく見られます。

2015年の感染者数は過去最高の40万人に至り、今後も流行が懸念されています。

溶連菌感染症の発症する時期

発症する時期のピークは、冬そして春先から初夏にかけてとなります。

風邪薬を飲ませても回復しない場合、溶連菌感染症の可能性が考えられます。

2. 溶連菌感染症の原因

溶連菌感染症の原因は、溶連菌(溶血性連鎖球菌)という細菌です。

溶連菌はインフルエンザのように、いろいろなタイプ(血清の型)があります。

しかし、すべてのタイプが重症になるわけではありません。

溶連菌のタイプ

溶連菌のタイプは下記の4つです。

  • A群
  • B群
  • C群
  • G群

特に、溶連菌感染症を引き起こすタイプの9割が、A群です。

溶連菌は世界で20種あるといわれ、そのうち日本では5種確認されています。

溶連菌の感染確認方法

どのタイプの溶連菌に感染したかに関しては、のどの奥から採った分泌物を調べれば確認できます。

採取後、溶連菌迅速検査をすれば結果はすぐわかり、治療をはじめることができます。

溶連菌のすべてが悪いわけではない

溶連菌は常在菌のひとつ

実は、溶連菌はのどによくいる細菌で、常在菌とも呼ばれています。

常在菌は体に危害を加える細菌やウイルスから、守ってくれる働きもあります。

すべての常在菌が悪いものとはかぎらず、善玉菌であるビフィズス菌も常在菌の1つです。

溶連菌が病気の原因とは限らない

実は、大人の方でも5人に1人は溶連菌を持っているといわれています。

そのため、溶連菌が検出されたからといって、病気の原因とは言いきれないこともあります。

特に、免疫力の弱い子どもはいろんな病気にかかりやすいため、注意して調べる必要があります。

3. 溶連菌感染症の症状

溶連菌に感染しても、すぐに発症するとはかぎりません。

感染してから発症までにかかる期間を、潜伏期間と呼びます。個人差もありますが、溶連菌感染症は、2〜5日の潜伏期間を経て発症します。

溶連菌感染症の症状は、以下の6つです。

1. 発熱

発症して約9割の人が、発熱の症状が出ます。

ただし、3歳未満の乳児の場合、あまり熱が出ないこともあります。

38~39度くらいの高い熱がいきなり出て、発熱が続く期間は2〜3日くらいです。熱が上がる、下がるを何度か繰り返します。

せきや鼻水などといった、風邪の症状はありません。

2. のどの痛み

発熱とあわせて、溶連菌感染症の特徴の一つです。

咽頭炎や扁桃炎が発症し、のどが真っ赤に腫れます。

食べ物や飲み物をのみ込むときに強く痛み、のみ込みにくくなります。

3. いちご舌

発疹が出たあとには、舌が真っ赤になりブツブツした感じになります。

いちご舌も風邪にはない、溶連菌感染症の特徴の一つです。

4. 吐き気・嘔吐

おなかを痛がる子もいます。

特に、嘔吐すると体中の水分が出てしまうため、脱水症状に注意が必要です。

5. 発疹

溶連菌はのどにいるだけとはかぎりません。毒素が全身に回ってくると発疹が出てきます。

発熱の2日後ぐらいに、赤くて細かいかゆみのある発疹が出て、1週間ぐらい続きます。

最初は、頬、わきのした、手足に出て、徐々に全身に広がります。

遠くから見ると全身が真っ赤に見えます。口のまわりに発疹は出ないので、そこだけ白く見えます。

6. 皮膚がボロボロむける

発疹の終わりかけになると、指先から皮膚がポロポロむけることもあります。

皮膚がむけても一時的な症状ですので、心配する必要はありません。

4. 溶連菌感染症の合併症

溶連菌感染症は、きちんと治療を行えば、重症化せず徐々に回復します。

しかし、溶連菌感染症の治療を行わないと、重症化することもあります。

特に怖いのが合併症です。

溶連菌感染症による、代表的な合併症は下記の2つです。

1. 急性糸球体腎炎

腎臓の機能が低下して起こる病気です。

腎臓の中は糸球体と呼ばれる管があり、球体の糸玉のようになっています。

急性糸球体腎炎になると、体にむくみが出ます。

急性糸球体腎炎により、糸球体が傷つくと、血尿が出ることもあります。

2. リウマチ熱

溶連菌感染症を適切に治療しないと、2〜3週間後に突然の高熱が出ることがあります。

他には関節痛や、ひどいときは心臓に炎症を起こします。

5. 溶連菌感染症の治療

ウイルス性の病気と違って、細菌性の病気は抗菌薬で悪化を防ぐことができます。

逆に治療をしないでほうっておくと、悪化してしまうことがあります。

しかし、現在は早期発見が可能となり、治療も確立されています。

抗菌薬の効果

溶連菌感染症の治療では、ペニシリン系の抗菌薬(サワシリンなど)が病院で処方されます。

薬を服用すると、1日で溶連菌の感染力をおさえることができます。

2~3日たつと、のどの痛みや発疹などの症状は軽くなります。

治療期間はどれくらいかかる?

溶連菌感染症の治療には、1〜2週間が目安です。

溶連菌感染症は感染力が強く、症状が落ち着いても、腎炎による血尿やリウマチ熱などの続発症を発症する恐れがあります。

勝手な判断をせず、処方された薬をきちんとすべて飲ませた上で、病院の先生に診断してもらうことが大切です。

完治の確認方法は?

尿検査による診断が必須

溶連菌感染症の症状が落ち着いても、溶連菌がまだ体内にいる可能性があります。

また、前述した続発症が忘れた頃に、発症している可能性も十分あります。

尿検査を行うタイミングは

溶連菌感染症に発症後2〜3週間後に尿検査の診断が必須です。

尿検査を行うことにより、本当に溶連菌感染症が完治したかを確認できます。

尿検査の結果、陽性であれば、薬による治療を続けて行います。

溶連菌感染症にかかる治療費

溶連菌感染症は保険の適用を受けられます。

保険適用後、2,000〜3,000円程度治療費がかかります。

自治体によっては、乳幼児向けに医療費助成制度を受けることができます。

医療費助成制度を活用すると、さらに治療費を安く済ませることができます。

6. ホームケア

1. 食事と水分補給

熱が出る上に、のどか痛いと食欲が落ちて、水分補給も難しくなります。

脱水症状にならないように、水分だけはこまめに取ることがたいせつです。

おすすめの食べ物や飲み物の一例は下記となります。

  • 麦茶
  • ヨーグルト
  • プリン
  • ゼリー
  • スープ
  • うどん
  • おかゆ

やわらかくてのみ込みやすく、のどへの刺激の少ない食事を工夫しましょう。

2. かゆみのケア

暑くて汗をかくとかゆみが増します。

とくに夏はクーラーなどで涼しくしてあげます。

汗でむれている場合には、こまめに衣服を交換しましょう。

3. おふろ

元気があるときはおふろに入れても大丈夫です。

温まるとかゆみが増すので、ぬるめのお湯にします。

シャワーを浴びさせてもいいでしょう。

4. 治ってからの尿検査

合併症がないかどうか見るために2~3週問後に尿検査を受けます。

陽性の場合には、医師の指示のもと治療を続けます。

陰性の場合には、溶連菌感染症は完治となります。

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7. 先輩ママの「うちの子の溶連菌感染症体験談」

東京都・3才の男の子・サッちゃんママより

2才半のとき38度の熱を出したので早めに受診して、風邪薬をもらいました。

けれども熱は下がらないし、手のひらに発疹が出てきたので、薬が合っでないのかもと、再度受診したところ、菌検査でようやく溶連菌とわかり、薬が替わりました。

10日間は薬を飲み続けること、家族に感染しないようにうがいと手洗いを徹底しなさいとの注意を受けました。

それからは順調に回復しましたが、原因がわかるまではとても不安でした。

引用元:最初は風邪だと思ったけど菌の検査をして溶連菌と判明

栃木県・5才の男の子・3人のかいじゅうのママ保育園に通い始めてすぐの1才6ヵ月のときです。

風邪のような症状に加えて、のどが赤く舌がブツブツになってきました。

病院で、抗菌薬を出されました。

のみ込みやすく消化のいいものを食べさせるように言われても、口やのどの状態がひどいので、食べにくそうでつらかったです。

豆腐や白身魚、野菜の煮ものなどをつぶして食べさせていました。

その後も、体力が落ちているときに別のタイプの溶連菌にかかりましたが、大きくなってからは大丈夫です。

引用元:保育園に通い始めてすぐ感染。のとが赤くて舌もブツブツに

参考:病院で処方される薬