卵管鏡下卵管形成術(FT)とは?内容・効果・費用・入院期間

1. 卵管鏡下卵管形成術とは?

卵管鏡下卵管形成術は、略してFT、またはFTカテーテル法とも呼ばれています。

内視鏡がついたカテーテルを挿入し、卵管のつまりなどを取る不妊治療のひとつです。

比較的簡単な治療ですが、全身麻酔または局所麻酔をする必要があります。

卵管鏡下卵管形成術をしたあとは、妊娠率がアップすると言われています。

今回は、卵管鏡下卵管形成術の内容や効果、費用や入院の有無などについてまとめました。

2. 不妊の原因について

卵管鏡下卵管形成術の話をする前に、不妊の原因についてみていきましょう。

不妊の原因は、女性だけではない

最近は、メディアや書籍などの影響により、不妊に対する理解もかなり進んできました。

少し前までは、「不妊は女性が原因である」と決めつけられていたケースもありましたが、男性にも原因があることが判明してきました。

不妊の原因の大まかな割合は、以下の通りです。

  • 女性のみに原因がある場合...40%
  • 男性のみに原因がある場合...25%
  • 女性と男性に原因がある場合...25%
  • 原因不明...10%

このように、男性にも原因があるケースは、約半数を占めているのです。

女性不妊の原因は何?

女性に原因があるとひとことで言っても、その原因は様々です。

女性は妊娠・出産に関わる器官が多いため、男性に比べると不妊の原因が多くなる傾向があります。

排卵因子

卵子が育つ過程に何らかの問題がある場合、不妊の原因になることがあります。

また、排卵時に何らかの問題があるケースもあります。

代表的な原因は以下の通りです。

  • 高プロラクチン血症
  • 多嚢胞性卵巣症候群
  • 無排卵月経
  • 卵巣機能不全
  • 早期閉経
  • など

卵管因子

卵管は、受精卵が細胞分裂をくり返しながら子宮にたどり着くまでの臓器です。

卵管に何らかの問題がある場合、不妊の原因になることがあります。

卵管に問題がある症状は、以下の通りです。

  • 卵管閉塞
  • 卵管周囲の臓器の癒着
  • ピックアップ障害
  • など

子宮因子

子宮は、受精卵が着床し赤ちゃんを育てる臓器です。

子宮因子による不妊の原因は以下の通りです。

  • 子宮筋腫(粘膜下筋腫)
  • 子宮内膜ポリープ
  • 子宮奇形
  • など

頸管因子

子宮頸管は、膣内で射精された精子が子宮にたどり着くまでの器官です。

子宮頸管粘液の分泌が極端に少ない場合、精子が子宮にたどり着くことができず、不妊の原因になることがあります。

免疫因子

女性側が、精子を攻撃したり動きを止めたりする抗体を持っている場合、不妊の原因になることがあります。

卵管因子は発見が遅れることも

卵管の周囲の臓器が癒着している、軽い卵管閉塞、ピックアップ障害などは、通常の不妊検査では中々発見しにくいものです。

腹腔鏡を使用し、卵管の様子を観察してはじめて発見されるケースも多いものです。

3. 卵管鏡下卵管形成術の内容は?

卵管鏡下卵管形成術の内容は、どのようなものなのでしょうか?

卵管鏡下卵管形成術の流れは?

卵管鏡下卵管形成術は、全身麻酔または局所麻酔をしておこなわれます。

麻酔のあと、卵管鏡を内蔵した細いカテーテルを、膣から子宮、卵管へと挿入します。

カテーテルが卵管までたどり着いたのを確認し、バルーンを膨らませ、卵管がつまっている箇所を広げます。

最後に、造影剤を注入し、卵管のつまりが取れたかどうか確認します。

これで卵管鏡下卵管形成術は終了です。

卵管鏡下卵管形成術は痛い?

不妊治療のひとつである「卵管造影検査」は、人によっては痛みが強いこともあります。

卵管鏡下卵管形成術は、卵管にカテーテルを挿入するため、痛いと思われがちです。

しかし、先程も述べたように、全身麻酔または局所麻酔でおこなわれます。

ほとんどの場合、寝ている間に終わっているため術中の痛みは感じることはないようです。

麻酔が切れたあと、軽い下腹部痛を感じることがありますが、問題はないでしょう。

卵管鏡下卵管形成術は、どのようなときにおこなわれる?

卵管鏡下卵管形成術は、以下のような症状がみられるときにおこなわれます。

卵管造影検査で卵管のつまりがあると診断された

卵管造影検査とは不妊検査のひとつです。

子宮や卵管内に造影剤を注入し、子宮奇形の有無や卵管がつまっていないかなどを検査します。

この検査で卵管につまりがある、または卵管が極端に細い場合、不妊の原因になることがあります。

卵管鏡下卵管形成術で卵管のつまりを取ったり、卵管を広げることで、自然妊娠の確率がアップします。

体外受精に進む前に

タイミング法、または人工受精を何回か試みても妊娠しない場合、体外受精へ進むか検討します。

体外受精に進む前に、卵管鏡下卵管形成術をすすめられることがあります。

卵管鏡下卵管形成術は、卵管のつまりを取ったり広げる効果がありますが、同時に卵管内をきれいにする効果も期待できます。

これにより、自然妊娠する確率が上がるのです。

原因不明の不妊の場合

原因不明の不妊の場合、卵管に問題があるケースが多いと言われています。

このような場合、卵管鏡下卵管形成術をすることで、自然妊娠するケースがあります。

卵管鏡下卵管形成術で治療できない不妊症は?

卵管鏡下卵管形成術は、卵管因子の不妊症に対して有効な治療です。

しかし、以下のような症状には効果がありません。

ピックアップ障害

卵管のピックアップ障害は、原因不明の不妊に多くみられます。

ピックアップ障害は、多くの場合卵管が周囲の組織に癒着することで起こると考えられています。

卵管鏡下卵管形成術は、卵管内のみ有効な治療です。

ピックアップ障害は卵管の外側に原因があるため、腹腔鏡手術にて治療します。

卵管の癒着がひどい場合

周囲の組織と卵管の癒着がひどい場合、ピックアップ障害だけでなく、卵管の外側や周りの組織が炎症を起こしていることもあります。

腹腔鏡手術や内服薬などで治療をしていきます。

4. 卵管鏡下卵管形成術の効果は?

卵管鏡下卵管形成術は、不妊症に対してどれくらいの効果があるのでしょうか?

術後、約3割が妊娠するというデータも

卵管がつまっている、または卵管内に癒着があり極端に細くなっていると診断された女性が卵管鏡下卵管形成術を受けた場合、術後約3割が妊娠したというデータがあります。

卵管鏡下卵管形成術、効果のメリット・デメリットは?

卵管鏡下卵管形成術を受けたあとは、卵管のつまりが取れ、広がっている状態なので妊娠しやすいと言われています。

しかし、卵管のつまりは、治療しても再発する可能性があります。

また、卵管鏡下卵管形成術は高度な技術を要するため、実施できる医療機関が限られています。

卵管の状態によっては、手術をしても必ずしも卵管の通過性が良くなるとは限りません。

こうした説明は、術前に医師から説明があるので、メリットやデメリットをよく理解し、卵管鏡下卵管形成術を受けるようにしましょう。

5. 卵管鏡下卵管形成術の費用や入院期間は?

最後に、卵管鏡下卵管形成術の費用は、入院期間についてみていきましょう。

卵管鏡下卵管形成術の費用は?

卵管鏡下卵管形成術の費用は、病院によってかなりの差があります。

保険適用ですが治療の点数が高いため、高額になることもあります。

卵管片側で11万~14万、両方の卵管になると21万~35万ほどになります。

ただし、卵管鏡下卵管形成術は高額医療費制度の対象なので、所得によって違いはありますが各自治体に申請すればお金が戻ってくることがあります。

また、民間の医療保険に加入している人は、保険対象になるケースもあります。

卵管鏡下卵管形成術の入院期間は?

卵管鏡下卵管形成術は、入院する必要はありません。

外来でできる治療法で、時間も数時間ですむケースがほとんどです。

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