婦人科の腹腔鏡手術とは?どんな時にする?内容・効果・費用・入院期間

1. 腹腔鏡手術とは?

腹腔鏡手術とは、腹腔鏡という内視鏡を使った手術のことをいいます。

腹腔鏡手術は比較的新しく導入された手術方法です。

近年では、多くの科の手術で適用されています。

婦人科においても、腹腔鏡手術はあらやる疾患に対しておこなわれています。

今回は、婦人科の腹腔鏡手術の適用疾患や、手術の内容、費用、効果、入院期間をご紹介します。

2. 婦人科の腹腔鏡手術はどんな時にする?

婦人科の腹腔鏡手術は、どのような疾患に適用されるのでしょうか?

腹腔鏡手術の歴史は、婦人科がもっとも長い

現在では、腹腔鏡手術は内科や外科、消化器科や泌尿器科、循環器科など実に幅広い科で適用されています。

しかし、腹腔鏡をはじめて使用した科は婦人科であると言われています。

婦人科や産婦人科で使用され始めたのをきっかけに、細かい操作が簡単にできることや、患部を拡大できるメリットから、徐々に他の科の手術で応用されるようになったのです。

腹腔鏡は検査器具

腹腔鏡は、もともと患部の細かな検査をするために開発された医療器具です。

超音波検査などでは発見できない病気の原因も、腹腔鏡の導入によってすぐに発見できるようになりました。

検査から手術へ応用されるように

検査のみに使用されていた腹腔鏡ですが、腹腔鏡の先端にあるカメラをモニターに映しながら、患部の手術をするという方法が開発されました。

ただし、この手術法は高い技術を要するため、導入された当初は限られた病院でしか腹腔鏡手術が受けられませんでした。

その後急速に腹腔鏡手術が導入されるようになり、現在では様々な病院でおこなわれるようになっています。

婦人科の腹腔鏡手術、どんな病気に適用される?

婦人科の腹腔鏡手術は、様々な病気の検査・治療に適用されます。

主な疾患は以下の通りです。

  • 子宮筋腫
  • 子宮内膜症
  • 良性卵巣嚢腫
  • 子宮外妊娠
  • 卵巣卵管周囲癒着
  • 子宮体がん、卵巣がん

これらの疾患の多くは、不妊の原因になることがあります。

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の内側や外側にできる良性の腫瘍です。

できる場所によっては、不妊の原因になります。

子宮内膜症

本来、子宮内膜は子宮壁の内側に増殖します。

しかし、何らかの原因で卵巣や卵管などにも子宮内膜が増殖してしまう病気を、子宮内膜症とよびます。

月経不順や月経痛などの症状があり、不妊の原因になることがあります。

良性卵巣嚢腫

良性卵巣嚢腫とは、卵巣内にできる良性の腫瘍のことです。

子宮筋腫と並んで、最も多い腫瘍です。

子宮外妊娠

受精卵は、本来子宮の壁の内側の子宮内膜に着床します。

しかし、何らかの原因で受精卵が卵管などに着床することがあります。

これを子宮外妊娠とよび、妊娠の継続はできません。

卵巣卵管周囲癒着

クラミジア、過去の手術などの影響により、卵巣や卵管が癒着している状態をいいます。

多くの場合、不妊の原因になります。

子宮体がん、卵巣がん

近年の腹腔鏡手術の発達によって、がんの手術も腹腔鏡を使用し、各科でおこなわれています。

子宮体がん、卵巣がんの手術においても、腹腔鏡手術でおこなわれることがあります。

3. 腹腔鏡手術の内容と効果は?

腹腔鏡手術は、どのような内容なのでしょうか?

大まかな流れをご紹介しましょう。

開腹手術と腹腔鏡手術の違いは?

一般的に手術は「開腹手術」のことをさします。

開腹手術の大まかな流れ

婦人科の開腹手術は、病気の種類にもよりますが、麻酔をしてから約10cmほど横にお腹を切ります。

その後、病気の部分を確認し、健康な血管と病気の部分の血管を見極めます。

病気の部分の血管を糸で縛り、出血しないようにしてから病変部を切り取ります。

切り取った部分やその周囲に出血などがないか入念に確認し、最後に開腹した部分を糸で縫って終了です。

腹腔鏡手術はわずかな切開ですむ

腹腔鏡手術は麻酔のあと、下腹部に6~7mmくらいの小さな穴を開けます。

そこから腹腔鏡を挿入します。

腹腔鏡の先端部分にはカメラがついており、お腹の様子がモニターに映し出されます。

開腹手術と大きく違う点は、お腹を大きく切る必要がないということです。

もちろん切開した部分を糸で縫う処置をしますが、切る範囲が極端に狭いため、傷口はほとんど目立ちません。

また、最近ではおへその底の部分を切開する病院も増えてきており、傷口が全く分からないケースも多いです。

治療が必要な場は?

腹腔鏡にて診断した結果治療が必要な場合、続けて処置をすることがほとんどです。

処置が必要な可能性がある場合は、腹腔鏡を入れる前にきちんと説明があります。

手術は、基本的に開腹手術と同じ流れになります。

手術で用いられる器具は、直径5mmほどのものばかりです。

腹腔鏡と同じく下腹部に6~7mm程度の穴を1~3か所あけ、そこから手術器具を挿入し、手術をおこないます。

腫瘍などが大きい場合はどうなる?

腫瘍が10mm以上と大きい場合、5mm程度の穴から取り出すことはできません。

この場合、腫瘍の大きさに合わせてさらに切開する必要があります。

卵巣嚢腫など、腫瘍内に水がたまって大きくなっている場合は、水を吸い出す処置をしてできるだけ小さくしてから取り除きます。

腹腔鏡手術の効果は?

腹腔鏡手術の機器や技術は日々進歩しており、手術の効果も大きくなってきています。

腹腔鏡手術のメリットは?

腹腔鏡手術のメリットは、以下のようなものがあります。

  • 傷が小さく、目立たない(方法によっては傷が残らない)
  • 術後の痛みが少ない
  • 術後の癒着などの合併症が少ない
  • 入院期間が短く、短期間での社会復帰が可能

腹腔鏡手術のデメリットは?

一見、メリットばかりの腹腔鏡手術ですが、デメリットももちろんあります。

腹腔鏡手術のデメリットは、以下のようなものがあげられます。

  • 治療できる疾患が限られる
  • 患部の状態によっては、開腹手術に切り替えるケースもある
  • 開腹手術と比べると、手術の難易度が上がる
  • 開腹手術と比べると、手術の時間が長くなる傾向がある

4. 腹腔鏡手術の費用や入院期間は?

腹腔鏡手術の費用は、一般的にどれくらいかかるのでしょうか?

また、入院期間はどのくらいなのでしょうか?

腹腔鏡手術の費用はどれくらい?

病気の種類にもよりますが、手術・入院全て含めると患者の負担は約30万前後になることが多いです。

ただし、個室を利用した場合は別途費用が発生します。

民間の医療保険に加入している場合、利用できるケースもあるので一度チェックしてみましょう。

腹腔鏡手術の入院期間はどのくらい?

腹腔鏡手術の入院期間は、病気の種類にもよりますが、手術日を0日とすると3~7日間程です。

退院してからも安静に過ごす必要がある疾患もあるため、医師によく確認しましょう。

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