赤ちゃんのヘルパンギーナとは?原因・症状・治療・ホームケア・体験談

1. ヘルパンギーナってどんな病気?

ヘルパンギーナはおもに6月下旬~8月中に流行する夏風邪の一種です。

1~5才の乳幼児に多くみられます。

高熱とともに口の中やのどに炎症が起こり、ものを食べたり飲んだりすると痛みをともないます。

ヘルパンギーナは子どもに多い病気ですが、夏バテ・睡眠不足などで抵抗力が落ちていると大人でも発症することがあります。

2. ヘルパンギーナの原因

コクサッキーA群ウイルスをはじめとする数種類のウイルスが原因です。

原因ウイルスが1つではないので、2回以上発症することもあります。

3. ヘルパンギーナの症状

1. 発熱

3日前後の潜伏期間ののち、急激に39~40℃の高熱が出ます。

熱そのものはは2~3日で下がりますが、熱の上がり方が急激なため熱性けいれんをともなうことがあります。

せきや鼻水といった、一般的な風邪のような症状はみられません。

2. 口の中やのどの水疱

たくさんの水疱ができる

発熱とともにのどが赤くなり、囗蓋垂(のどちんこ)の根元付近から上あごにかけて直径1~5mmの水疱が数個~十数個できます。

水疱は自然に破れて口内炎のような白い潰瘍になり、食べ物や飲み物が触れると強く痛みます。

痛みで食事ができなくなる

痛みのために食欲が落ち、あるいは食べたいのに食べられないことで、不機嫌になることが多いです。赤ちゃんは母乳・ミルクを飲めなくなります。

唾液を飲み込むのも痛いので、よだれが多くなります。

治るまでに時間がかかる

水疱は1週間ほどで、水疱が破れた後の潰瘍は1~2週間ほどで自然に治ります。

3. 脱水

痛みのために水分をとりにくくなり、また暑い時期に発熱で汗をたくさんかくため、脱水症状を起こすことがあります。

おしっこの回数に注意

1日のおしっこの回数が5回以下、またはいつもより濃い色のおしっこが少量しか出ない場合、脱水症状が進行している恐れがあります。

異変があればすぐに病院へ

口から水分補給できなくなってぐったりしたり、1日に何度も嘔吐したりする場合は、すぐにお医者さんに診てもらいましょう。

とくに、赤ちゃんは脱水症状を起こしやすいので注意しましょう。

4. ヘルパンギーナの合併症

非常にまれですが、合併症として無菌性髄膜炎(ウイルス性髄膜炎)、脳炎、急性心筋炎などを発症する場合があります。

5. ヘルパンギーナの治療

ヘルパンギーナそのものを治す特効薬はなく、ウイルスが原因なので抗生物質も効きません。

それぞれの症状を抑える対症療法をおこないます。

解熱剤

ヘルパンギーナにかかると39~40℃の高熱が出ますが、たいていは3日ほどで自然に下がります。

ただ、体力低下が心配なときは解熱剤が処方されることもあります。

解熱剤としてよく処方されるのは、カロナールやアルピーニ座薬などです。

自己判断で勝手に熱を下げない

発熱は、体がウイルスと戦うための防御反応です。

むやみに熱を下げると、かえって治りが遅くなることがあります。

また、熱を下げることでお医者さんが誤診してしまうおそれもあります。

高熱が長引いて心配な場合は、お医者さんに相談しましょう。

のどの痛みを抑える薬

ヘルパンギーナの場合、のどの水疱および潰瘍そのものを治す薬はありません。

痛みがひどい場合は、トランサミンなどの痛み止めが処方されます。

自力でうがいできる子どもには、うがい薬が処方されることもあります。

点滴

脱水症状がひどく口から水分を摂れない場合は、点滴で水分や栄養分を補給します。

漢方薬

お医者さんの方針やパパ・ママの希望によっては、漢方薬を使うこともあります。

ヘルパンギーナの治療に使うおもな漢方薬は、以下のとおりです。

板藍根(ばんらんこん)

ウイルス性の病気に有効です。

麻黄湯(まおうとう)

熱の上がり始めに有効です。

桔梗湯(ききょうとう)

のどのはれ・痛みに有効です。

銀翹散(ぎんぎょうさん)

のどの乾き・痛みに有効です。

漢方薬を使いたいなら、必ずお医者さんに相談

漢方薬は、ドラッグストアや漢方薬局でも入手できます。

しかし初心者には扱いが難しく、思わぬ副作用が出ることもあります。

自己判断で使用せず、必ずお医者さんに相談しましょう。

ヘルパンギーナの治療にかかる費用

脱水症状がひどい場合などを除けば、基本的に入院は必要ありません。

病院に行く場合、費用は一般的な夏風邪とほぼ同じと考えてよいでしょう。

もちろん医療機関や子どもの状態によって費用が異なるので、心配な人はあらかじめ相談しましょう。

6. ヘルパンギーナのホームケア

基本的には時間の経過とともに自然に治ります。

症状がおさまるまでは、脱水症状に注意しつつ安静に過ごしましょう。

1. 水分補給

乳幼児用イオン飲料などの飲みやすいものを、少量ずつこまめに飲ませます。

お茶や白湯でもよいですが、汗で失った塩分補給のために、時々イオン飲料を飲ませるか少しだけ塩気のあるものを食べさせましょう。

赤ちゃんの場合は、スプーン・スポイトなどで流し込むように飲ませるとよいでしょう。

哺乳びんは自分で口を動かして飲まなければならないので、赤ちゃんが痛がることがあります。

普段母乳を飲んでいる赤ちゃんには、ママへの感染を防ぐため、いったん搾乳してから飲ませましょう。

2. 食事のケア

食事のポイント

食欲はあるのに痛くて食べられない状態ですから、やわらかくのどごしのいいものを与えましょう。

熱いもの・味の濃いもの・極端に冷たいもの・酸味のあるものは刺激が強いので、うす味の食べものを人肌~やや冷たいくらいの温度にして与えましょう。

おすすめのメニュー

以下のものが食べやすく、栄養補給と水分補給が同時にできます。

  • 具のない茶碗蒸し
  • 卵豆腐
  • ポタージュスープ
  • プリン
  • ゼリー
  • 酸味の少ない幼児用ヨーグルト

3. 汗や不快感のケア

熱が38℃以下である程度体調が安定していれば、シャワーでさっぱりさせてあげましょう。

高熱で汗をたくさんかいている場合は、絞ったタオルなどで体をふいて清潔なパジャマ・シーツに替えましょう。

赤ちゃんの場合は、熱がこもるのを防ぐためにこまめにおむつを替えましょう。

4. 部屋の温度調整

クーラーや扇風機を活用して、部屋の温度を26~28℃に保ちましょう。

クーラーの風がじかに当たると体に負担がかかるので、風向や風力を上手に調整しましょう。

長時間部屋を閉め切ってクーラーをつけっぱなしにすると空気が汚れるので、時々窓を開けて換気しましょう。

7. 登園・登校の目安

症状が軽くなれば登園できる

基本的には、熱が下がって症状が軽くなれば登園・登校させても大丈夫です。

ただし、ヘルパンギーナは症状が軽くなっても半月~1ヶ月はウイルスが排出され続けます。

子どもの年齢によっては、マスクをつけることで周囲への感染を抑えることができます。

水疱が残っている間は休もう

他の子に感染させないよう、口の中に水疱が残っているうちはプールは控えたほうがよいでしょう。

園や学校の方針によっては、お医者さんから許可が出た後でもしばらく登園・登校しないほうがよいと言われることがあります。

トラブルを避けるためにも、念のため確認しておくと安心です。

8. ヘルパンギーナを予防するために

現在のところ、ヘルパンギーナに有効なワクチンはありません。

ウイルスの感染ルート

ヘルパンギーナの原因となるコクサッキーウイルスは、おもにせき・くしゃみ、唾液、鼻水、便などから感染します。

なめたおもちゃの貸し借りなどでも感染します。

感染を予防する方法

手洗いうがいの徹底

外出や食事の前後・おむつ替えの後などは、手洗い・うがいをしっかり行って予防しましょう。

感染・発症後約1ヶ月は便や唾液からウイルスが排出されるので、赤ちゃんならおむつ交換の後に十分に手洗い・消毒を行いましょう。

おむつがはずれていれば、トイレの後の手洗い・消毒を徹底させましょう。

タオルや食器の使い回しを避ける

家族間でもタオルや食器の使いまわしは避けましょう。

小さな兄弟姉妹がいる場合は、特に手洗い・うがいを徹底させましょう。もちろん、大人も油断は禁物です。

夏は特に注意を

抵抗力が弱くなると、感染リスクが大きく高まります。

夏バテ・夏風邪などで体力が落ちているときは、特に注意しましょう。

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9. 先輩ママの「うちの子のヘルパンギーナ体験談」

東京都・2才4ヵ月の女の子・チョッパーママより

1才1ヵ月のときに、39度の発熱。

初めての高熱だったので、心配でたまりません。

病院で「ヘルパンギーナ」と診断されました。

熱が下がり始めたら囗の中にボツボツができるので、食べやすい食事にするように」と言われ解熱薬の座薬を処方されました。

つらそうだったので座薬を入れましたが、熱は下がりません……どうしようもなく見守るしかありませんでした。

熱が下がってから、やっと、プリンを食べてくれたのでほっとしました。

引用元:座薬を使っても熱が下がらない。初めての高熱にドキドキ

岡山県・2才2ヵ月の女の子・こっとんママより

39度の熱を出しだのは11力月のときでした。

2日間高熱が続き、その後大量のよだれが出るようになりました。

のどが痛くて唾液をのみ込めなかったようで、スタイを交換してもすぐびちょびちょに。

お医者さんには、水分をしっかりとるように言われましたが、食欲が落ちて母乳の飲みも減っていました。

りんごジュースはしみるのか、白湯をいちばんよく飲んでいました。

4日後から、ようやく普通に食べられるようになりました。

引用元:ヘルパンギーナにかかったら大量のよだれで大変でした

参考:病院で処方される薬