排卵誘発剤は子宮頸管粘液の分泌に悪影響を及ぼすって本当?

1. 排卵誘発剤とは?

排卵誘発剤とは名前の通り、排卵を誘発するための薬です。

不妊原因の治療法に用いられることが多い薬です。

排卵誘発剤が用いられる場面

排卵誘発剤は、下記のような場合に用いられます。

  • 妊活中のタイミング法
  • 排卵のない無排卵月経
  • 生理が来ない無月経
  • 体外受精や顕微鏡受精での卵子採取

それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

妊活中のタイミング法

妊娠を望む方の場合、多くの方がまずはじめに行なうのが、排卵日に合わせて性交渉を行なうタイミング法です。

この時に、より正確な排卵日を確認するために、排卵期には病院に定期的に通うことになります。

しかし排卵日が予想よりも遅れている場合などには、排卵誘発剤を用いて排卵を促すことがあります。

排卵のない無排卵月経

女性の中には、生理は来るのに排卵をしていない「無排卵月経」という状態があります。

この状態の場合には、妊娠は望めませんので排卵誘発剤を用いて、排卵を促すことがあります。

生理が来ない無月経

無排卵月経とは違い、無月経の場合には生理もなく排卵もありません。

このような状態の場合には、排卵誘発剤を用いて生理周期を作り出せるよう促します。

体外受精や顕微鏡受精での卵子採取

体外受精や顕微鏡受精を行なう場合、卵子を体外に一旦出して、体の外で受精させます。

その卵子を採取するために、排卵誘発剤が用いられることがあります。

2. 排卵誘発剤の種類とは?

排卵誘発剤には、いくつかの種類が存在します。

投与の仕方にも、飲み薬タイプや注射などの方法があります。

飲み薬タイプの排卵誘発剤

飲み薬タイプの排卵誘発剤には、以下の3つがあります。

  • セキソビット(シクロフェニル)
  • クロミッド(クロミフェン)
  • テルグリド

それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

セキソビット(シクロフェニル)

セキソビットは、不妊治療の初期段階に用いられることの多い排卵誘発剤です。

効果の現れ方が穏やかで、比較的副作用も少ないことが特徴です。

卵巣内で卵子を包んでいる卵胞の発育を助ける働きがあります。

クロミッド(クロミフェン)

おもに、排卵が全く起こらない方に用いられる排卵誘発剤です。

クロミッドは脳下垂体に作用し、FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体刺激ホルモン)の分泌を促します。

結果として卵胞が成熟して排卵が誘発されます。

テルグリド

妊娠を制御してしまう「プロラクチン」が多くなっている方に使用される排卵誘発剤です。

テルグリドを一定期間毎日服用し、プロラクチンの分泌量を抑えます。

その結果、プロラクチンの量が減り、排卵が誘発されます。

注射タイプの排卵誘発剤

注射タイプの排卵誘発剤には、以下の2つのものがあります。

  • hMG注射
  • hCG注射

それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

hMG注射

飲み薬の排卵誘発剤クロミッドの効果を高めるために用いられる注射です。

クロミッドの補助的な役割として利用されることが多いです。

FSH(卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体刺激ホルモン)が配合されており、卵胞の発育を助ける効果があります。

hCG注射

最終的に排卵を促すために用いられる注射です。

クロミッドやhMG注射により十分に育った卵胞に、黄体ホルモンに似た働きをするhCGを注射します。

すると、十分に発育した卵胞から排卵が起こります。

3. 子宮頚管粘液とは?

子宮頚管粘液とは、排卵時に分泌される、子宮頚管内の粘液のことです。

この粘液が分泌されることにより、普段細菌の侵入を防ぐために酸性になっている子宮頚管内がアルカリ性に変化します。

その変化によって、排卵期の性交渉後には精子が子宮に侵入しやすくなります。

そして、結果として妊娠が成立しやすくなります。

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4. 排卵誘発剤は子宮頚管粘液にとって悪影響?

排卵誘発剤を使用すると、子宮頚管粘液が減少してしまうという恐れがあります。

しかし全ての排卵誘発剤に、そのような副作用があるわけではありません。

子宮頚管粘液に影響があるのは、クロミッドやhMG注射

子宮頚管粘液に影響があるのは、クロミッドやhMG注射などです。

クロミッドやhMG注射は、視床下部の脳下垂体に働きかけ、FSHやLHの分泌を促します。

しかし過度な摂取や誤ったタイミングでの摂取により、子宮頚管粘液の分泌量を減らしてしまうことがあります。

子宮粘液が減るとどうなるの?

排卵誘発剤の影響により子宮頚管粘液が減ってしまうと、子宮頚管内がアルカリ性に変化しません。

そのため、排卵のタイミングで性交渉をしても、精子が子宮まで侵入してくることができません。

結果として妊娠しにくい体になり、不妊の原因につながってしまいます。

排卵誘発剤の服用をやめれば元に戻る

妊娠の成立を妨げてしまう排卵誘発剤ですが、このような状態は排卵誘発剤の副作用です。

そのため、薬の服用をストップすれば、子宮頚管粘液の分泌も正常に戻ります。

5. 副作用がでたら、早めに医師に相談を

クロミッドなどを服用して、子宮頚管粘液が減少してしまうと、妊娠の成立を妨げてしまいます。

このような状況になった場合には、自分でどうにかすることはできません。

そのため、担当医師に相談をし、医師の指示に従って薬の服用をストップすることをおすすめします。

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