子宮頸管粘液の分泌不全とは?妊娠できるの?原因・症状・治療法

1. 子宮頸管粘液の分泌不全とは

子宮頸管粘液の分泌不全とは、女性側の不妊の原因の1つです。

子宮頸管粘液の分泌が悪く、性交渉を行なっても妊娠しにくくなってしまいます。

子宮頸管粘液とは?

子宮頸管粘液とは、排卵期に子宮頸管や膣などに分泌される粘液のことです。

通常の子宮頚管や膣は、内部が酸性で保たれています。

酸性で保たれている理由は、子宮頚管や膣から子宮内部へ雑菌が侵入してくるのを防ぐためです。

排卵期だけ子宮頚管粘液が分泌される理由

通常は酸性で保たれている子宮頚管が、排卵期だけ子宮頚管粘液が分泌されるのには理由があります。

それは酸性の子宮頚管や膣は、侵入してくる精子にとっても過酷な状況を作り出しているからです。

妊娠の可能性のある排卵期には、精子を卵子の場所まで招き入れなければなりません。

そのために子宮警官粘液を分泌し、子宮頚管や膣を酸性からアルカリ性に変化させます。

子宮頸管粘液の分泌不全は妊娠の成立を妨害する

子宮頚管や膣を酸性からアルカリ性に変化させ、精子を子宮内部に招き入れやすくするのが子宮警官粘液の役目です。

しかし、子宮頚管粘液の分泌不全が起きると、子宮頚管や膣がアルカリ性に変化しません。

そのため、排卵期でも精子の侵入を妨害し受精を妨げてしいます。

結果として、不妊の原因となってしまいます。

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2. 子宮頸管粘液の分泌不全の原因

子宮頸管粘液の分泌不全には、下記のような原因が考えられます。

  • ホルモンバランスの乱れ
  • 感染症などによる子宮頚管の炎症
  • 排卵誘発剤の副作用
  • 抗精子抗体

それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

ホルモンバランスの乱れ

子宮頚管粘液を分泌するためには、女性ホルモンである「エストロゲン(卵胞ホルモン)」が重要な役割を果たしています。

しかし、なんらかの理由でエストロゲンの分泌量が減ってしまうと、子宮頚管粘液も増殖することができません。

その結果、宮頚管粘液の分泌不全になってしまいます。

感染症などによる子宮頚管の炎症

クラミジアなどの感染症にかかると、子宮頚管の粘膜が炎症を起こす場合があります。

その結果、子宮頚管粘液が正常に分泌しなくなることがあります。

排卵誘発剤の副作用

不妊治療をしている方で、クロミッドなどの排卵誘発剤を使用している方は子宮頚管粘液が減少することがあります。

これは薬の副作用によるものですので、薬の服用をやめれば、通常通り子宮頚管粘液が分泌されます。

抗精子抗体

抗精子抗体は、子宮頚管がアルカリ性に変化しないために起こるわけではありません。

抗精子抗体とは、精子を異物と判断し排除してしまう抗体のことです。

子宮頚管粘液の中に抗精子抗体があり、結果として精子の侵入を妨害している可能性があります。

3. 子宮頸管粘液の分泌不全の症状

子宮頚管粘液の分泌不全自体の症状には、痛みや腫れなどの症状はありません。

そのため不妊検査を行なった時に、子宮頚管粘液の分泌不全であるということが発覚する方がほとんどです。

炎症を伴う場合の症状

しかし、感染症などによって子宮頚管に炎症が起こっている場合などには、おりものなどに異常が現れることもあります。

粘り気のある膿のような、いつもの違うおりものがでたら要注意です。

また、炎症が起こっている場合には、下腹部痛などの痛みがある場合があります。

4. 子宮頸管粘液の分泌不全の検査

子宮頚管粘液の分泌不全の検査には下記の2つの方法があります。

  • フーナーテスト
  • 頚管粘液検査

それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

フーナーテスト

フーナーテストとは、性交後の子宮頚管粘液を採取してその中に含まれている精子の状態を確認するテストです。

検査日の前日(または当日朝)に性交渉をし、子宮頚管から粘液を採取します。

採取した粘液を顕微鏡で観察し、中に含まれる精子の状態をしていきます。

フーナーテストだけでは、子宮頚管粘液の分泌不全までは分からない

フーナーテストの段階では、不妊の原因が子宮頚管粘液の分泌不全であるということは判断できません。

この段階では、精子の数や運動率、さらに子宮頚管粘液の分泌不全の問題が疑われます。

そのため、フーナーテストでは男女どちらに原因があるのかまでを判断することはできません。

頚管粘液検査

頚管粘液検査は実際に子宮頚管から粘液を採取して、成分を調べる方法です。

頚管粘液検査では、採取した粘液を下記の項目ごとに調べます。

  • 粘液の量
  • 粘り具合
  • PH値
  • シダ状結晶があるか

このような項目から、子宮頚管粘液に異常がないかどうかを確認していきます。

HP値とは?

HPとは、水溶液中の水素イオンの酸性・アルカリ性の性質を知るための数値です。

HP値を調べることによって、子宮頚管粘液が分泌されているかどうかを調べます。

シダ状結晶とは?

排卵期の頚管粘液をスライドグラスに乗せ乾燥させ、顕微鏡で観察するとシダの葉状の結晶が見えます。

この結晶は排卵期に向かってキレイなシダの葉状の結晶になるため、粘液の状態を確認することができます。

5. 子宮頸管粘液の分泌不全の治療法

子宮頚管粘液の分泌不全の治療法は、薬物投与がおもな治療法となります。

子宮頚管粘液の分泌不全のおもな治療法

子宮頸管粘液の分泌不全の治療法には以下の3つがあります。

  • 排卵誘発剤投与の停止
  • ホルモン剤の投与
  • 感染症の治療

それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

排卵誘発剤投与の停止

クロミッドなどの排卵誘発剤の投与により、一時的に子宮頚管粘液の分泌不全が起こっている場合があります。

このような場合には、医師の判断により排卵誘発剤の使用を一時停止することがあります。

その他にも、人工授精や体外受精へのステップアップを進められる場合もあります。

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ホルモン剤の投与

子宮頚管粘液の分泌不全は、エストロゲンの減少が影響している場合があります。

そのためホルモン剤を投与して、卵胞ホルモンの分泌を促すという治療を行ないます。

感染症の治療

感染症によって、子宮頚管粘液の分泌不全が引き起こされている場合があります。

この場合には、抗生物質の投与によって炎症を抑え、子宮頚管粘液の正常な働きを促す治療が行なわれます。

子宮頚管粘液の分泌不全でも妊娠できる?

子宮警官粘液の分泌不全と診断されても、妊娠の可能性は十分にあります。

しかし、精子が子宮内に侵入しにくい状態にはなっていますので、正常な状態よりは妊娠の確率が低くなってしまいます。

妊娠を望んでいる方で不妊の疑いがある方は、まずは医師の診療を受け、原因を突き止めてしっかり治療を行なうことが大切です。

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