男性不妊とは?割合はどれくらい?原因・症状・治療・検査

1. 男性不妊はこんな病気

男性不妊とは、男性側が原因で不妊となっている症状です。

原因として精子の数が少ない、運動能力や質が低いため、卵子にたどり着くことができません。

男性不妊を引き起こす原因となる病気や症状は、さまざまあります。

詳細につきましては、この先で説明していきます。

子どもはできるの?

男性不妊となっている原因を追求する必要があります。

原因を特定し、適切な治療や対応をすることで、子どもができる確率を高めます。

症状の程度により、簡単に対応できるもの、治療に時間を要するものまでさまざまです。

適切な治療や対応をするためにも、しっかり精密検査が必要となります。

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2. 男性不妊の原因

不妊の定義とは?

世界保健機関(WHO)では、健康的な夫婦が避妊なしで、2年間妊娠しない場合と定義されています。

日本産婦人科学会では、2015年6月から不妊の定義を、2年から1年にしました。

ただし、日本やアメリカでは1年間妊娠しないと独自に定義する場合もあります。

不妊に悩んでいるカップルの割合は?

7組のカップルのうち1組が不妊で悩んでいます。

以前は10組のカップルに1組といわれていました。

不妊で悩んでいるカップルの割合は、昔に比べて増えています。

男女の不妊の割合は?

世界保健機関(WHO)の統計によると、男女の不妊の割合は約半数となっています。

具体的な統計に関しては、以下のようになっています。

  • 女性不妊のみが原因:41%
  • 男性不妊のみが原因:24%
  • 男女両方が不妊の原因:24%
  • 不明:11%

男性不妊の割合は増えているの?

世界保健機関(WHO)の統計によると、増加傾向にあります。

実際に精子の最低基準値が1998年度と比べて、20%近く減っています。

男性不妊の大きな原因は?

精子の量や質だけでなく、晩婚化も影響しています。

日常生活においては、環境ホルモンも影響しているといわれています。

男性不妊だけではなく、女性不妊も原因としてあります。

不妊になる原因はさまざまで、特定できないことも多くあります。

少しでも男性不妊の原因を特定するため、男性も積極的に協力して検査することが重要です。

精子の量と質が重要な理由

健康的な男性の場合、1回の射精で1〜4億個の精子が放出されます。

しかし、子宮内で生き残る精子の数は数十万個となり、全体の1%程度です。

そして、子宮内の奥にある長い卵管を通り、卵子にたどり着ける精子は数百個まで減ります。

最終的に卵子と受精できる精子の数は、たった1個です。

受精する確率を増やすためにも精子の数だけでなく、質である運動能力も重要となります。

3. 男性不妊の症状

男性不妊を引き起こす症状はさまざまです。

おもに以下のような症状があります。

1. 造精機能障害

何らかの理由や原因により、精子が作られない、量が少ない、質が悪いといった症状です。

造精機能障害は、特定の症状や病気を指すものではなく、総称となります。

造精機能障害を占める90%の1つ目に、原因不明の特発性造精機能障害があります。

そして2つ目に、精索静脈瘤になります。

特発性造精機能障害と精索静脈瘤が原因により、以降に説明する症状などがあらわれます。

2. 精索静脈瘤

睾丸の上部にある静脈にコブができる症状です。

血液は通常、一定方向に流れ、逆流しないように弁がついています。

しかし、この弁の働きが作用せずに血液が逆流し、静脈にコブができます。

結果として熱がこもりやすくなり、熱に弱い精子の働きが悪くなる、造精機能に影響が出ます。

男性不妊の40%に精索静脈瘤の症状が認められています。

3. 乏精子症

精液1mlあたり、精子の数が4,000万個未満の場合です。

乏精子症を引き起こす原因として、精索静脈瘤があります。

4. 精子無力症

精子の運動能力が非常に弱い症状です。

精子はまっすぐ進む運動能力が必要です。

まっすぐ進む能力が32%以下の場合に、精子無力症になります。

乏精子症と併発することもあります。

5. 無精子症

無精子症は、乏精子症に比べて精子の数がゼロ、またはそれに近い症状です。

無精子症は大きく分けて2つに分類されます。

閉塞性無精子症

何らかの理由により精子が通る精管などに詰まりがあり、精子が出ない状態です。

パイプカットのほかに、生まれつき精管がない先天性精管欠損があります。

ほかには、精管が圧迫される、鼠径ヘルニアいわゆる脱腸が原因になっていることもあります。

非閉塞性無精子症

精管そのものに詰まりはないけれど、何らかの理由により精子の数が極端に少ない状況です。

先天的に遺伝子や染色体に異常が出る、このクラインフェルター症候群があります。

クラインフェルター症候群は女性化する症状です。

精子を作るのに必要な男性ホルモンが少なく、精巣の萎縮などが見られます。

6. 逆行性射精

射精すると尿道を通り、外に放出されます。

放出される際に、膀胱側の尿道に逆流しないように前立腺が膨らみます。

しかし、前立腺の逆流する働きが弱く、精液が膀胱側に流れてしまう症状です。

前立腺肥大の薬を飲んでいる、糖尿病や脊髄損傷により神経の働きが弱い場合に起こりやすくなります。

7. 膿精液症

クラジミアなどの性感染症などが原因で、精巣や精管の炎症を起こして膿が出る症状です。

膿の成分は白血球になります。

本来、精液の中に白血球が出ることはありません。

しかし、白血球と精子が混ざると、白血球の成分により精子のDNAにダメージが加わります。

結果として、男性不妊を引き起こします。

8. おたふくかぜ

おたふくかぜの原因となる、ムンプスウイルスが精巣に感染すると、乏精子症などの造精機能障害を引き起こします。

4. 男性不妊の検査

男性不妊の原因となっている病気や症状を特定するため、以下のような検査をおこないます。

1. 精液検査

精液の中にある精子や、その他の成分を検査します。

おもな検査内容は、精液の量、精子の濃度や数、運動率、奇形率を確認します。

精液検査は2〜3日ほど禁欲し、検査当日に病院または自宅で精液を採取します。

精液検査で異常が見つかった場合、以下の症状が考えられます。

ただし、精子の状態は体調や体質にも影響するため、何度か精液検査をすることもあります。

乏精子症や無精子症

精子の数がゼロに近い、または1mlあたり4,000万個未満の場合です。

精子の数が少なければ、自然妊娠が難しくなります。

精子無力症

精子が卵子に受精するには、子宮内奥の卵管を進む必要があります。

そのため、全体的な運動量だけでなく、まっすぐ進む能力が必要です。

精子無力症になると、精子の全体的な運動能力やまっすぐ進む能力が低い状態です。

膿精液症

精液内に白血球が混ざり、精液が黄色っぽくなる症状です。

細菌感染により、精管などに炎症が起きていることが考えられます。

2. 血液検査

血液検査で調べる内容は以下になります。

テストステロン

男性ホルモンの一種になります。

テストステロンが少ないと、精子を作るときに影響を受けます。

卵胞刺激ホルモン

別名ではLHと呼ばれます。

脳の下にある脳下垂体から出されるホルモンです。

排卵を促す役割を持っています。

テストステロンが少ないと卵胞刺激ホルモンも少なくなります。

ほかにはFSHがあり、こちらも卵胞刺激ホルモンの一種です。

FSHが少ないと、精巣機能障害を疑います。

3. 遺伝子検査

先天的に遺伝子や染色体に異常がないかを検査します。

乏精子症で精子の数が少ないと、クラインフェルター症候群の可能性が高まります。

通常、男性の染色体はXYですが、X染色体が1つ多い、XXYになります。

X染色体が1つ多くなると体型が女性化し、精巣の萎縮が起こり、精子の量や質に影響が出ます。

4. 超音波検査やMRI検査

精巣の大きさや形状に異常がないかを確認します。

精巣の腫瘍や静脈にコブができる精索静脈瘤がないかを確認します。

5. 触診や視診

陰嚢を外側から触り、大きさや腫れなどがないかを確認します。

精巣やその周辺に腫れを感じる場合、以下の症状を疑います。

閉塞性無精子症

精巣上体や精管、射精管に詰まりがあり、精子が出ない状態です。

先天性精管欠損

先天的に精管がなく、精子が出ない状態です。

精巣炎

細菌感染により精巣や精管などが腫れている状態です。

炎症で白血球が精液にあることを確認すると、膿精液症を疑います。

6. 問診

日常生活や食生活、過去の病歴や現在抱えている病気などを確認します。

上記の検査などとあわせて、男性不妊の原因を断定する判断材料にします。

男性不妊の検査はどこでできるの?

男性不妊外来や泌尿器科で検査ができます。

泌尿器科では、男性不妊の検査をしていないところもあるため、確認をしておきましょう。

奥さんも検査を受けたほうがいいの?

夫婦で不妊検査を受けましょう。

夫婦で不妊検査をすることで、不妊の原因が特定できます。

不妊の原因は奥さんと思っていたら、実はダンナさんが原因だった、または夫婦共々ということもあるからです。

男性の検査の基本は精液検査となり、女性の排卵を待たずに手軽にできます。

不妊は奥さんの問題と決めつけず、ダンナさんも積極的に検査をおこないましょう。

検査をおこなうタイミングはいつがいいの?

1日でも早くおこなうことをおすすめします。

先延ばしするほど、妊娠する確率が低くなるからです。

とくに30代になってからの晩婚の場合、不妊に悩んでいたら早めに検査をおこないましょう。

検査だけでなく、男性不妊の治療や体質改善にも時間がかかることを覚えておきましょう。

検査にかかる費用や時間は?

男性の場合、多くは精液検査を複数回おこなって確認ができます。

保険適用で1回あたり、1,000円程度で済むため、それほど大きな負担にはなりません。

精液検査にかかる時間も、1時間程度で確認できます。

精液検査以外の検査が必要な場合、保険適用外のものがある、結果が出るまで時間がかかるものもあります。

どのような検査があるか、かかる費用や時間を含めて事前に確認しましょう。

5. 男性不妊の治療法

精液検査などをおこない、男性不妊が原因と診断された場合、以下のような治療法や対応をおこないます。

1. 薬物療法

ビタミン剤

病院で処方される、コエンザイムQ10を服用します。

活性酸素が血液や体内に多い場合、精子の量や質に影響します。

ビタミン剤によって抗酸化作用が働き、精子の量や質の向上に期待します。

最低3ヶ月程度の服用が必要となるため、時間がかかります。

漢方薬

男性不妊の原因や体質、現在抱えている病気などにより、処方される漢方薬は異なります。

ほかの方法で男性不妊が改善されない場合、漢方薬による治療を検討してください。

ホルモン剤

クラインフェルター症候群など、血液中のホルモンに異常がある場合に治療をおこないます。

内服薬または注射により、不足しているホルモンを補います。

治療の効果が出れば精子の生成が増え、量や質の向上も期待できます。

抗生物質

膿精液症のように、細菌感染による精巣や精管の炎症の場合に使われます。

抗生物質の服用を続け、精液の色が正常になる、精液内に白血球の数が減少しているかを後日の検査で確認します。

抗うつ剤

膀胱内に精液が流れてしまう、逆行性射精などに使われます。

2. 手術

手術は、男性不妊の原因となっている症状にあわせて手術方法が異なります。

1. 精巣内精子回収術

TESEやMESAと呼ばれる手術方法です。

薬物療法を利用しても、男性不妊が改善されない場合、精管が生まれつき欠損している先天性精管欠損の場合、手術により精子を直接取り出します。

精巣や精子がたまる精巣上体を切開し、そこから精子を取り出します。

取り出したあとは、体外受精や人工授精、顕微授精などをおこないます。

2. 精路再建術

精管が詰まって精子が出ない、閉塞性無精子症の場合におこなわれます。

詰まっている精管部分を切除して、再びつなぎ直す方法です。

3. 単孔式腹腔鏡下内精静脈結紮術

精巣周辺の静脈にコブができる、精索静脈瘤に使われる手術方法です。

コブができた静脈部分などを糸で縛る方法です。

3. 体質の改善

日々の生活状況や環境が原因で、男性不妊を引き起こしていることもあります。

上記の治療法を行いながら、食生活やストレスを改善する、タバコやお酒を控える、運動不足の解消などをおこないます。

即効性はありませんが、相乗効果を期待して積極的に体質の改善をおこないましょう。

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