赤ちゃんにいい妊婦の食事とは?妊娠初期から摂るべき食べ物は?

1. いろいろな食べ物をバランスよく摂る

妊娠中の食事の大前提として、いろいろな食べ物をバランスよく摂ることが重要です。

健康に良いとされる食べ物でも、そればかり摂っていると栄養が偏ってしまいます。

和食が良いとされる理由

2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたことで、和食のよさが見直されています。

和食は低カロリー・高タンパクで、穀類・野菜・魚・卵・大豆製品など幅広い食材が使用されます。

そのため、和食を食べることでいろいろな栄養素を効率よく摂ることができます。

また、和食には納豆や味噌などの発酵食品が欠かせません。

発酵食品には乳酸菌が含まれているものも多く、腸内環境の改善に役立ちます。

和食の塩分に注意

ただし、和食には塩分が多いという欠点があります。

白いご飯や清酒とよく合うよう、塩辛い料理が増えたためです。

妊娠中に塩分を摂りすぎると、妊娠高血圧症候群のリスクが高くなります。

調理時はできるだけ薄味を心がけ、食べるときも醤油や塩をかけすぎないようにしましょう。

減塩タイプの調味料や、塩分に代わる調味料(だし・酢など)の活用もおすすめです。

つわりで食生活が変わったら…

つわりになると思うように食事できなくなることが多いですが、それほど心配はいりません。

妊娠初期の胎児は、卵黄嚢から栄養を摂っています。

そのため、ママが食べたものが直接胎児に影響することはほとんどないのです。

つわり中は無理せず食べられるものを食べ、つわりがおさまってから食生活をととのえましょう。

2. 葉酸の多い食べ物

葉酸のおもな役割

葉酸(ビタミンB9、ビタミンM)は、正常な細胞分裂を助けるはたらきを持っています。

妊娠初期に葉酸を十分摂取すると、胎児の先天的神経異常のリスクを下げることができます。

妊活中から意識して葉酸を

ママが妊娠に気づく前から、すでに胎児の体は作られ始めています。

妊娠したいと思ったときから、意識して葉酸を摂りましょう。

妊娠中期~後期の葉酸の役割

胎児の体がある程度完成する妊娠中期以降も、葉酸は重要な役割を果たします。

葉酸は赤血球の生成を助け、妊娠中に多い貧血の予防・解消に役立ちます。

妊娠中の葉酸摂取目安量

妊娠希望時~妊娠中は、1日あたり480μgの葉酸を摂ることが望ましいです。

この数値は、妊娠していないときの2倍以上にのぼります。

葉酸を多く含む食べ物

以下は、100gあたりの葉酸含有量が多い食べ物の例です。

  • 枝豆(ゆで)…260μg
  • モロヘイヤ…250μg
  • 芽キャベツ(ゆで)…220μg
  • アスパラガス(ボイル)…180μg
  • ブロッコリー(ゆで)…120μg
  • にんにくの茎(ゆで)…120μg
  • 空豆(ゆで)…120μg
  • 納豆…120μg
  • ほうれん草(ゆで)…110μg
  • いちご…90μg
  • 小松菜(ゆで)…86μg

葉酸は、水に溶けやすい性質を持っています。

加熱調理する場合は、水分が出にくい蒸し料理や水分ごと食べられるスープ類がおすすめです。

食事+サプリで効率よく葉酸を摂ろう

葉酸は熱に弱く、また体内での吸収率もそれほど良くありません。

妊娠中に必要な葉酸を食事だけで摂るのは、ほとんど不可能に近いでしょう。

厚生労働省では、妊娠中はサプリと食事の両方から葉酸を摂ることをすすめています。

3. 鉄分の多い食べ物

普段健康な人でも、妊娠中はどうしても貧血になりやすくなります。

妊娠すると、胎児に栄養を送るために血液の量が増えていきます。

しかし赤血球の生成がなかなか追いつかないため、血液が薄まってしまうのです。

また、血流の悪化により脳へ送られる血液量が少なくなることも原因です。

赤血球の材料となる鉄分を十分摂ることで、貧血の予防・解消に役立ちます。

妊娠中の鉄分摂取目安量

もともと女性には月経があるので、男性より多くの鉄分を必要とします。

しかし、妊娠~授乳期にはさらに多くの鉄分を摂らなければなりません。

  • 非妊娠時(月経あり)…10.5~11mg
  • 妊娠初期、授乳期(月経なし)…13~13.5mg
  • 妊娠中期~後期…25.5~26mg

鉄分を多く含む食べ物

ヘム鉄

動物性食品に多く含まれる鉄分は、ヘム鉄と呼ばれます。

ヘム鉄は、溶けやすく消化吸収されやすい特徴を持っています。

以下は、100gあたりのヘム鉄含有量が多い食品の一例です。

  • 鶏レバー…9mg
  • 鶏のハツ(心臓)…5.1mg
  • うなぎの肝…4.6mg
  • しじみ…4.3mg
  • あさり…3.8mg

非ヘム鉄

野菜や海藻類に多く含まれる鉄分は、非ヘム鉄と呼ばれます。

ヘム鉄に比べて消化吸収されにくいですが、動物性タンパク質と一緒に摂ると吸収率が良くなります。

以下は、100gあたりの非ヘム鉄含有量が多い食品の一例です。

  • 切り干し大根(乾燥)…9.7mg
  • 油揚げ…4.2mg
  • 枝豆…2.5mg
  • 小松菜…2.1mg
  • 空豆…2.1mg

鉄分だけでは、赤血球は作れない

赤血球は、鉄分さえ摂れば作れるわけではありません。

鉄分と同じく赤血球の材料となるタンパク質も、しっかり摂りましょう。

また、鉄分の吸収を助けるビタミンCを併せて摂るとなお良いです。

さらに、赤血球の生成を助けるビタミンB2・B6・B9(葉酸)・B12も一緒に摂りましょう。

お茶・コーヒーと一緒に摂らないほうがいい?

鉄分と一緒にお茶やコーヒーを飲むと、鉄分の吸収が妨げられると言われています。

お茶やコーヒーに含まれるタンニンが非ヘム鉄と結合して、吸収されにくくなるためです。

とはいえタンニンによる影響はごくわずかなので、極端に心配する必要はありません。

どうしても心配な人は、食後1~2時間はお茶・コーヒーを控えましょう。

なお、ヘム鉄はタンニンの影響を受けないので特に心配はいりません。

4. カルシウムの多い食べ物

胎児の骨や歯を作るためには、たくさんのカルシウムが必要です。

胎児のためのカルシウムが不足すると、ママの骨や歯に蓄積されたカルシウムが消費されます。

そのため、産後骨密度が下がって骨粗しょう症になるリスクが高くなります。

妊娠中のカルシウム摂取目安量

妊娠中は、1日当たり900mgのカルシウムを摂る必要があります。

この数値は、妊娠していないときの1.5倍に相当します。

カルシウムを多く含む食べ物

乳製品

乳製品はカルシウムの吸収率が高く、約50%も吸収することができます。

以下は、100gあたりのカルシウム含有量が多い乳製品の一例です。

  • パルメザンチーズ…1300mg
  • 脱脂粉乳(粉末)…1100mg
  • プロセスチーズ…630
  • 低脂肪乳…130mg
  • プレーンヨーグルト…120mg
  • 牛乳(無調整)…110mg
なぜ低脂肪乳のほうがカルシウムが多い?

低脂肪乳は、自由に成分を調整できる加工乳の一種です。

カルシウムが添加されていることが多いため、無調整牛乳より効率よくカルシウムを摂取できます。

小魚・魚介類

小魚・魚介類の吸収率は、30%前後になります。

以下は、100gあたりのカルシウム含有量が多い小魚類の一例です。

  • 干しえび…7100mg
  • 桜えびの素干し…2000mg
  • いかなごの佃煮…470mg
  • いわしの丸干し…440mg
  • あさりの佃煮…260mg
  • しじみ…130mg

野菜・海藻類

野菜・海藻類の吸収率は20%前後ですが、カルシウム以外のビタミン・ミネラルも豊富に含まれています。

以下は、100gあたりのカルシウム含有量が多い野菜・海藻類の一例です。

  • ひじき(乾燥)…1400mg
  • 素干しわかめ…780mg
  • 凍り豆腐(乾燥)…660mg
  • 油揚げ…300mg
  • 焼き海苔…280mg
  • モロヘイヤ…260mg

マグネシウムも一緒に摂ろう

マグネシウムもまた、骨・歯を作るうえで重要な栄養素です。

もっとも望ましい摂り方は、マグネシウムとカルシウムを1:2の割合で摂ることです。

マグネシウムは、しらす干し・大豆製品・乾燥ひじき・ナッツ類・海藻類などに多く含まれています。

カルシウムを摂りすぎると…

普通の食生活を送っていれば、カルシウムを摂りすぎることはまずありません。

しかし、極端に偏った食生活やサプリの飲みすぎなどでカルシウム過剰になることはあります。

カルシウムを摂りすぎると、高カルシウム血症になる場合があります。

また、体内で増えすぎたカルシウムがマグネシウム・亜鉛などの吸収をさまたげることもあります。

5. ビタミンB6の多い食べ物

妊娠前~妊娠初期にビタミンB6を十分摂ると、つわり中の吐き気・だるさが軽減されます。

ビタミンB6でつわりが軽くなる理由は詳しくわかっていませんが、妊娠悪阻の人にはしばしばビタミンB6が投与されます。

妊娠中にビタミンB6が果たす役割は、つわりの軽減だけではありません。

鉄分の項でも触れていますが、ビタミンB6は赤血球の生成を助けて貧血を防ぐはたらきも持っています。

さらに傷ついた血管を修復して丈夫にする作用があり、妊娠高血圧症候群の予防にも役立ちます。

妊娠中のビタミンB6摂取目安量

妊娠中は、1日当たり2.0mgのカルシウムを摂るのが望ましいとされます。

この数値は、妊娠していないときの約1.7倍に相当します。

ビタミンB6を多く含む食べ物

以下は、100gあたりのビタミンB6含有量が多い食べ物の例です。

  • ピスタチオ…1.22mg
  • 鶏ひき肉…0.68mg
  • 鶏むね肉…0.54mg
  • バナナ…0.38mg
  • パプリカ…0.37mg
  • モロヘイヤ…0.35mg

妊娠前から、ビタミンB6を十分摂ろう

つわりの始まり方は人それぞれで、妊娠がわかったと思ったらある日突然症状が出る人もいます。

いざつわりが始まると食べられるものが限られ、思うように食事を摂れなくなることもあります。

食品に含まれるビタミン類には、病院で投与されるビタミン剤ほどの即効性は期待できません。

事前につわりを少しでも軽減できるよう、妊娠前から十分なビタミンB6を摂ることをおすすめします。

ビタミンB6の効果を高めるビタミンB2

「ビタミンB群」に分類されるビタミンは、お互いの作用を高めあう性質を持っています。

中でも、ビタミンB6との相性が特によいのはビタミンB2です。

ビタミンB6とビタミンB2を一緒に摂ることで、ビタミンB6がより高い効果を発揮します。

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