妊婦は鉄分をたくさん摂るべき?妊娠中の貧血に効く食べ物は?

1. 妊娠中の貧血予防に欠かせない鉄分

鉄分は、血液を作るのに欠かせないミネラルのひとつです。

赤血球の材料となる鉄分が不足すると、鉄欠乏性貧血になりやすくなります。

妊娠~授乳期の鉄分摂取量

厚生労働省では、1日の鉄分摂取推奨量を以下のように定めています。

  • 月経のある成人女性…10.5~11mg
  • 妊娠初期、授乳期(月経なし)…13~13.5mg
  • 妊娠中期~後期…25.5~26mg

妊娠中期以降は、妊娠していないときの2倍以上もの鉄分が必要になります。

子宮内でどんどん成長する胎児に、十分な血液を送らなければならないためです。

また、大きくなった子宮が臓器・血管を圧迫して血行が悪化するも理由のひとつです。

ヘム鉄・非ヘム鉄って?

鉄分は、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に大きく分かれます。

肉・魚などに多く含まれるヘム鉄は、溶けやすく消化・吸収されやすい特徴を持っています。

野菜・海藻などに多く含まれる非ヘム鉄は、そのままではあまり吸収されません。

いったん胃で溶けやすい構造に変換されてから吸収されるので、ヘム鉄より吸収率は下がります。

ヘム鉄を多く含む食品

ヘム鉄は、以下の食品に多く含まれています。

以下は、100gあたりのヘム鉄含有量が多い食品の一例です。

  • レバー(豚)…13mg
  • レバー(鶏)…9mg
  • レバーペースト…7.7mg
  • 鶏のハツ(心臓)…5.1mg
  • うなぎの肝…4.6mg
  • しじみ…4.3mg
  • あさり…3.8mg

レバーの食べすぎに注意

レバーには、レチノール(動物性ビタミンA)が多く含まれています。

妊娠中にレチノールを摂りすぎると、胎児が奇形になるリスクが上がると言われています。

さまざまなビタミン・ミネラルを豊富に含むレバーですが、食べすぎには要注意です。

非ヘム鉄を多く含む食品

非ヘム鉄は、以下の食品に多く含まれています。

以下は、100gあたりの非ヘム鉄含有量が多い食品の一例です。

  • 焼き海苔…11.4mg
  • 切り干し大根(乾燥)…9.7mg
  • 枝豆…2.5mg
  • 小松菜…2.1mg
  • 空豆…2.1mg

ヘム鉄と一緒に摂るとよい

吸収されにくい非ヘム鉄ですが、ヘム鉄と一緒に摂るといくらか吸収率が上がります。

ヘム鉄を含む肉・魚と一緒に調理すると、効率よく鉄分を摂取できます。

プルーンには鉄分が多い?

鉄分の多い食べ物として、プルーンを思い浮かべる人も多いでしょう。

しかし、プルーン100gにはわずか0.9mgしか鉄分が含まれていません。

もし1日に必要な鉄分をプルーンだけで摂ろうとしたら、果糖や食物繊維を摂りすぎてしまいます。

鉄分を含む果物はごくわずか

ほとんどの果物に含まれる鉄分は、100gあたりわずか0.5mg以下です。

ほかの果物と比べると、たしかにプルーンは鉄分を多く含んでいます。

「プルーンは果物の中では鉄分が多い」という事実が、いつの間にか「プルーンは鉄分が多い」というイメージに変わって広まったのでしょう。

2. 赤血球の材料になるタンパク質

鉄分だけでなく、タンパク質もまた赤血球の材料として重要な存在です。

さらに、体内で非ヘム鉄を溶けやすくして吸収率を上げるはたらきも持っています。

胎児の体を作りママの美肌を保つためにも、タンパク質は欠かせません。

妊娠中のタンパク質摂取量

妊娠時期によって、1日に摂るべきタンパク質の量は変わります。

  • 妊娠初期…50g
  • 妊娠中期…55g
  • 妊娠後期…75g

タンパク質を多く含む食品

以下は、100gあたりのタンパク質含有量が多い食品の一例です。

  • 凍り豆腐(乾燥)…49.4g
  • しらす干し(半乾燥)…40.5g
  • いわし(丸干し)…32.8g
  • あじ…27.5g
  • ほんまぐろ(赤身)…26.4g
  • 鶏ささみ…23g
  • 豚ヒレ肉…22.8g
  • プロセスチーズ…22.7g
  • 油揚げ…18.6g

3. 鉄分の吸収を助けるビタミンC

ビタミンCは、非ヘム鉄をヘム鉄に変換するはたらきを持っています。

さらにウイルス・細菌への抵抗力を高め、しみ・そばかすを防いで美肌を保つのにも役立ちます。

妊娠中のビタミン摂取量

妊娠中は、1日に110mgのビタミンCを摂るのが望ましいとされています。

ビタミンCを多く含む食品

以下は、100gあたりのビタミンC含有量が多い食品の一例です。

  • 赤ピーマン…170mg
  • 芽キャベツ…110mg
  • レモン…100mg
  • ピーマン(緑)…76mg
  • ゴーヤ(ニガウリ)…76mg
  • キウイフルーツ…69mg

ビタミンCは熱・水に弱い

ビタミンCは熱に弱く、加熱すると大部分が失われてしまいます。

また、長時間水にさらすとビタミンCが水に溶け出してしまいます。

ビタミンCを効率よく摂るなら、生で食べるか汁ごと食べられるスープ・味噌汁がおすすめです。

果糖の摂りすぎに注意しつつ、おやつとして果物を食べるのもいいですね。

4. 赤血球の生成を助ける葉酸・ビタミンB群

葉酸として有名なビタミンB9やビタミンB2・B6・B12には、赤血球の生成を助ける作用があります。

ビタミンB群も熱・水に弱い

ビタミンC同様、葉酸を含むビタミンB群もまた熱・水に弱い性質を持っています。

生で食べられる食材は、できるだけ生のまま食べるとよいでしょう。

加熱調理が必要なものは、スープ料理などがおすすめです。

葉酸(ビタミンB9)

葉酸として有名なビタミンB9は、正常な細胞分裂を助けるはたらきを持っています。

胎児の先天性神経異常のリスクを下げるため、妊娠前~妊娠初期にも積極的に摂りたいですね。

葉酸の摂取量

妊娠中は、1日480μgの葉酸を摂るのが望ましいとされます。

ただし、妊娠中必要な葉酸をすべて食事だけでまかなうのは難しいです。

厚生労働省では、サプリで葉酸を補うことを推奨しています。

葉酸を多く含む食品

100gあたりの葉酸含有量が多い食品の例は、以下のとおりです。

  • 鶏レバー…1300μg
  • 牛レバー…1000μg
  • 素干しわかめ…440μg
  • 枝豆(ゆで)…260μg
  • モロヘイヤ…250μg
  • 芽キャベツ(ゆで)…220μg
  • 空豆(ゆで)…120μg
  • ライチ…100μg

ビタミンB2

ビタミンB2の摂取量

ビタミンB2は、糖質・脂質・タンパク質の代謝を助けるはたらきも持っています。

妊娠中にビタミンB2が不足すると、妊娠高血圧症候群や胎児の発育障害につながるおそれがあります。

妊娠時期によって、1日に摂るべきビタミンB2の量は変わります。

  • 妊娠初期…1.2mg
  • 妊娠中期…1.3mg
  • 妊娠後期~授乳中…1.5mg

ビタミンB2を多く含む食品

100gあたりのビタミンB2含有量が多い食品の例は、以下のとおりです。

  • 豚レバー…3.6mg
  • 牛レバー…3mg
  • 鶏レバー…1.8mg
  • 鶏のハツ…1.1mg
  • うなぎの肝…0.75mg
  • うずら卵(生)…0.72mg

ビタミンB6

ビタミンB6は、つわりを軽減する作用も持っています。

妊娠悪阻(ひどいつわり)の人には、しばしばビタミンB6が投与されます。

ビタミンB6の摂取量

妊娠中は1日当たり1.4mg、授乳期は1.5mgのビタミンB6を摂るのが望ましいです。

ビタミンB6を多く含む食品

100gあたりのビタミンB6含有量が多い食品の例は、以下のとおりです。

  • びんながまぐろ…0.94mg
  • 牛レバー…0.89mg
  • ほんまぐろ(赤身)…0.85mg
  • ほんまぐろ(脂身)…0.82mg
  • かつお…0.76mg
  • 鶏ひき肉…0.68mg

ビタミンB12

ビタミンB12にはメラトニンの分泌を調節する作用もあり、ストレスの緩和に役立ちます。

ビタミンB12の摂取量

妊娠中は、1日当たり2.8μgのビタミンB12を摂るのが望ましいです。

ビタミンB12を多く含む食品

100gあたりのビタミンB12含有量が多い食品の例は、以下のとおりです。

  • しじみ…62.4μg
  • 赤貝…59.2μg
  • すじこ…53.9μg
  • レバー(牛)…52.8μg
  • あさり…52.4μg
  • レバー(鶏)…44.4μg
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