妊婦はお茶を飲んでもいい?ほうじ茶・抹茶・麦茶のどれなら大丈夫?

1. ノンカロリーのお茶は、妊娠中の水分補給に最適だけど…

一般的なお茶には、糖質や脂質が含まれていません。

そのため妊娠中の水分補給に適していますが、お茶の種類によってはカフェインが多いものもあり注意が必要です。

妊娠中、なぜカフェインを摂りすぎてはいけないの?

胎児への影響

妊娠中にカフェインを摂りすぎると、血管が収縮して胎児に血液・栄養が行きにくくなるおそれがあります。

その結果流産・早産の原因になったり、胎児の正常な発育が妨げられたりすることがあります。

また、カフェインが胎盤を通過して胎児の体内に蓄積されるおそれもあります。

胎児の体に多量のカフェインが蓄積されると、出生後に落ち着きがなくなるなどの影響が出ることがあります。

母体への影響

カフェインには、鉄分の吸収を妨げる作用があります。

また、お茶に含まれるタンニンも鉄分の吸収を妨げます。

貧血になりやすい妊娠中にカフェイン・タンニンを摂りすぎると、貧血の悪化を招くおそれがあります。

どのくらいまでカフェインを摂っていい?

今のところ、日本では妊娠中のカフェイン摂取に関する明確な基準は定められていません。

ただ、イギリスなどでは妊娠中のカフェイン摂取量は1日200mgまでと定められています。

日本人はイギリス人より小柄な人が多く、カフェイン代謝能力も若干低めと考えられます。

そのため、妊娠中のカフェイン摂取量は1日150~200mgまでにとどめておくとよいでしょう。

2. カフェインが多いお茶・少ないお茶

以下は、身近なお茶150mlあたりのカフェイン含有量一覧です。

お茶を飲むときは、1日のカフェイン摂取目安量を超えないよう心がけましょう。

  • 玉露…150mg
  • 抹茶…45mg
  • 紅茶…30mg
  • 煎茶(緑茶)…30mg
  • ウーロン茶…30mg
  • ほうじ茶…20~30mg前後
  • 玄米茶…15mg
  • 麦茶…ほぼ0mg

これらのカフェイン含有量はあくまで目安であり、濃度や淹れ方によって変わることがあります。

同じ植物由来なのに、カフェイン含有量が違うのはなぜ?

玉露・抹茶・紅茶・煎茶(緑茶)・ウーロン茶・ほうじ茶は、すべてチャノキの葉や芽から作られています。

玉露や抹茶は、日光を当てずに育てたチャノキの若芽から作られます。

チャノキの若芽には、成熟した葉より多くのカフェインが含まれています。

そのため、成熟した葉を使う煎茶・紅茶などに比べてカフェイン含有量が多くなります。

なぜ抹茶より玉露のほうがカフェイン含有量が多いの?

抹茶もまたチャノキの若芽から作られますが、玉露より成長した芽が使用されます。

原料となる芽の収穫時期が遅い分、玉露に比べてカフェイン含有量が少なくなるのです。

ほうじ茶のカフェイン含有量は意外に多い!?

ほうじ茶は、番茶(収穫が遅い茶葉・低品質の茶葉など)や煎茶などを炒ったものです。

一般的に、遅く収穫された茶葉ほどカフェイン含有量は少なくなります。

さらに炒ることでカフェインの一部が気化するため、ほうじ茶のカフェイン含有量は煎茶より少なめです。

ただし、茶葉の内容や製法によっては煎茶に近い量のカフェインが含まれる場合もあります。

※地域によっては、番茶をほうじ茶と呼ぶ場合もあります。

麦茶や玄米茶のカフェイン含有量が少ないのはなぜ?

玄米茶は、煎茶などの茶葉に炒った玄米を加えたものです。

煎茶などと比べて茶葉の量が少なくなるため、カフェイン含有量も少なくなります。

麦茶は、炒った大麦の種子を煎じた飲み物です。

茶葉が入っていないので、カフェインはほとんど含まれていません。

3. はと麦茶を飲むと流産しやすくなる?

「はと麦茶を飲みすぎると、流産しやすくなる」と言われることがあります。

はと麦には体内の老廃物や異物などを体外へ排出させる作用があり、漢方薬としても使用されています。

妊娠中にはと麦を摂りすぎると、胎児もまた異物として排出されるおそれがあります。

時々はと麦茶を飲む程度ならOK

「濃いはと麦茶を毎日大量に飲む」というような極端な飲み方をしない限り、流産の心配はまずありません。

普通のはと麦茶やはと麦入りのブレンド茶をたまに飲むくらいなら、全く心配いりません。

むしろ、少量のはと麦茶を気にしてストレスをためるほうが健康に良くないと言えるでしょう。

4. お茶の飲み方にも注意

冷たいものはできるだけ避けて

冷たいお茶を飲みすぎると、体が冷えて子宮周辺の血行が悪化しやすくなります。

その結果妊娠初期ならつわりの悪化や流産、中期~後期なら早産・お腹の張りなどにつながるおそれがあります。

お茶を飲むときは、できるだけ温かいものを飲みましょう。

夏など温かいものを飲みにくい時は、常温にして飲むとよいでしょう。

ハーブティーを飲むときは…

よい香りのハーブティーは、妊娠中のリラックスにも有効です。

ただし、ハーブの中には妊娠中に禁忌とされるものもあります。

妊娠中にハーブティーを飲む時は、あらかじめ成分をよく確認しましょう。

避けたほうがよいハーブ

子宮収縮作用を持つカモミール・セントジョーンズワート・ジャスミンなどは、妊娠初期は特に避けたほうがよいとされています。

ただし、はと麦茶と同じく少し飲んだからといって心配しすぎる必要はありません。

妊娠中におすすめのハーブティー

妊娠中におすすめのハーブティーとして有名なのは、鉄分やミネラルを豊富に含むルイボスティーです。

また、ビタミンCを豊富に含むローズヒップティーもおすすめです。

ただし、体に良いからといって飲みすぎると下痢・栄養の偏りなどにつながるので注意しましょう。

砂糖の入れすぎに注意

紅茶やハーブティーを飲むとき、甘みがほしいという人も多いでしょう。

ただし、砂糖・ガムシロップなどの入れすぎは糖質の摂りすぎにつながります。

これらのお茶を飲むときは、できるだけ無糖か甘さ控えめで飲むよう心がけましょう。

デカフェのお茶を活用

妊娠中には、デカフェタイプの煎茶や紅茶もおすすめです。

特殊な製法でカフェインを大幅に減らしつつ、普通の煎茶や紅茶とほとんど変わらない味を楽しめます。

通販や健康食品店などで買えるほか、手軽に飲めるペットボトル入りのものもあります。

5. 便秘解消用のお茶に注意

妊娠中は便秘になりやすいですが、市販の便秘薬を安易に使うことはできません。

「薬が使えないならお茶で…」と考える人もいますが、お茶の成分によっては妊娠中に飲めない場合があります。

妊娠中に避けるべき成分

便秘解消用のお茶のうち、以下の成分を含むものは妊娠中に飲んではいけないとされています。

便秘解消用のお茶を飲むときは、事前に成分や説明書きをしっかり確認しましょう。

センナ

健康茶にしばしば使用されるマメ科の植物・センナには、センノシドという成分が含まれています。

センノシドには子宮収縮作用があり、妊娠中に摂ると流産・早産の原因になるおそれがあります。

キャンドルブッシュ

マメ科の植物・キャンドルブッシュにも、センノシドが含まれています。

センナより効果がおだやかと言われるキャンドルブッシュですが、やはり妊娠中の摂取は避けましょう。

「キャンドルブッシュ」以外にも、「ハネセンナ」「ゴールデンキャンドル」「カッシア・アラタ」などさまざま呼び名があるので注意しましょう。

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