卵管障害とは?妊娠できるの?原因・症状・治療法・改善方法

1. 卵管障害とは?

卵管障害とは、女性の不妊原因の1つです。

卵管が正常に機能しなくなる障害です。

卵管障害は、女性不妊の原因のおよそ30%程度を占めるといわれています。

卵管とは?

卵管は、子宮の底、左右の両端から側後方に向かって存在する、湾曲した細い管のことです。

左右両側に対になって伸びており、およそ7~12cmの管状の器官です。

卵管部分の名称

卵管部分には、それぞれに名称があります。

  • 子宮近くの真っ直ぐな卵管峡部
  • 湾曲して広くなる卵管膨大部
  • 漏斗状に広がっている卵管漏斗
  • 房状の卵管采

卵管は、以上の4つの部分から成り立っています。

自然妊娠には欠かせない場所である卵管

卵管は、排卵された卵子を、卵巣から捕獲する場所となっています。

また、精子と卵子の受精の場となっており、受精卵を発育させる妊娠に欠かせない場所です。

卵管障害ってどういう状態?

このように、卵管は妊娠のためには、欠かすことのできない場所です。

しかしなにかしらの原因で、卵管が狭くなったり、塞がってしまったり、動かなくなったりすることがあります。

このように、卵管が詰まったり癒着を起こしている状態を、卵管障害といいます。

そして卵管障害になると、排卵や受精を妨げ、妊娠の確率を低下させます。

癒着とは?

癒着とは、患部内の炎症により、本来離れているべき組織同士が、くっついてしまう状態をいいます。

卵管の場合は、管の組織同士がくっついてしまい、空間を塞ぎ、詰まらせます。

2. 卵管障害の原因

では、どうして卵管障害は起きてしまうのでしょうか?

卵管障害の原因は、決して1つではありません。

卵管障害のおもな原因には、以下の4つが考えられます。

  • 感染による炎症
  • 腹腔内の炎症の影響
  • 子宮内膜症が原因の癒着
  • 過去の手術が原因の癒着

それでは、1つずつ詳しく説明していきます。

感染による炎症

ウィルス性の感染症などが原因で、卵管が炎症を起こしてしまう場合があります。

卵管の感染症には、以下のようなものがあります。

  • クラミジア
  • 淋病
  • トリコモナス

このような性感染症にかかると、卵管が炎症を起こしてしまう可能性があります。

近年増えているクラミジア感染症

性感染症の中でも、最近増えているのがクラミジア感染症です。

近年の患者数は、日本国内だけで、100万人に達するといわれています。

クラミジア感染症は、症状に気づかないまま、放置してしまうことも多い感染症です。

放置しておくと、重度の不妊の原因にもなりかねませんので、早めの治療が大切です。

クラミジア治療は、必ずパートナーと2人で受ける

クラミジアは、性器や喉などの粘膜を通して感染する病気です。

そのため、女性側がクラミジアに感染している場合、パートナーである男性も感染している可能性が高いのです。

クラミジアの検査や治療は、男女どちらか片方だけではなく、パートナーと一緒に行うことが大切です。

腹腔内の炎症の影響

腹腔内が、虫垂炎などの炎症にを起こしてしまった場合、卵管にまで影響がでる可能性があります。

卵管に近い部分の炎症は、卵管に移行してくる場合があるのです。

子宮内膜症が原因の癒着

本来であれば、子宮内にしかできるはずのない子宮内膜が、子宮の壁や卵巣の中にできてしまう疾患です。

子宮内膜は、生理周期ごとに剥がれて、血液として流れていきます。

しかし、本来できるはずのない場所にできた子宮内膜の血液は、周りに炎症を起こして癒着をおこしてしまいます。

その結果、卵管障害を引き起こしてしまうのです。

過去の手術が原因の癒着

過去に帝王切開や子宮外妊娠、盲腸、腹膜炎などで開腹手術をおこなった経験のある方は、注意が必要です。

過去の手術が原因で、卵管に細菌が進入し、癒着してしまう場合があります。

ちなみに、過去に開腹手術をした経験のある人は、約70~80%の確率で、癒着を起こしているといわれています。

3. 卵管障害の症状

自覚症状があまりない卵管障害

卵管障害は、基本的にあまり症状がないというのが1つの特徴です。

妊娠を希望し、不妊検査を受けて、初めて卵管障害だと気がつく方が多いほどです。

卵管障害で症状が現れる場合

しかし、中には、卵管障害の症状が現れる方もいるようです。

卵管障害では、以下の症状が現れる場合があります。

  • 腹部の痛み
  • 発熱
  • おりものの異常

また発熱をともなう、めまいなども報告されています。

しかし先ほども説明した通り、症状がでることは、ほとんどありません。

症状のないまま悪化する卵管障害

卵管障害は、症状が現れにくいものの、放っておくと症状が悪化していきます。

最初は小さな癒着であっても、進行していくと卵管閉塞になってしまう可能性があります。

卵管閉塞とは?

卵管閉塞とは、癒着が進行するなどして、完全に管が詰まってしまう状態です。

完全に管が詰まってしまった場合、卵管は機能しなくなります。

しかし、卵管は左右に1つずつあるので、どちらか1つでも機能していれば自然妊娠が望めます。

両方の卵管が卵管閉塞の場合は、治療しない限り自然妊娠が望めません。

4. 卵管障害の検査方法

卵管障害の検査方法には、以下のようなものがあります。

  • 子宮卵管造影検査
  • 卵管通気検査・卵管通水検査
  • 腹腔鏡検査

それでは、1つずつ詳しく見ていきましょう。

子宮卵管造影検査

造影剤と、レントゲンを使用した検査です。

子宮に造影剤を注入し、その広がり方をレントゲンで確認します。

卵管がスムーズに通っているかだけではなく、子宮に腫瘍がないかなども一緒に調べることができます。

子宮卵管造影検査のタイミングや費用は?

子宮卵管造影検査は、基本的に生理が終わってから排卵までの間だけです。

これは、受精している可能性があると、受精卵に悪影響を及ぼす可能性があるためです。

費用としては、1回あたりの検査が、5,000円~15,000円くらいのところが多いようです。

卵管通気検査・卵管通水検査

卵管通気検査

卵管通気検査は、子宮口から炭酸ガスを注入し、卵管の詰まり具合を確認する検査です。

カテーテルやカニューレを子宮口から挿入し、卵管通気装置につなぎます。

そして、一定の圧力で炭酸ガスを出し、圧力のかかり具合をグラフにつけて観察します。

卵管通水検査

卵管通水検査とは、生理食塩水を子宮の入り口から注入し、子宮の内腔や左右の卵管を充満させる検査です。

子宮の内膜の状態、ポリープや粘膜下筋腫などを調べるとともに、卵管の通りも調べる検査です。

子宮の入り口からカテ-テルを挿入して、生理食塩水を流します。

卵管通気検査・卵管通水検査のタイミングや費用は?

卵管通気検査のタイミングについては、やはり妊娠の可能性がない時期におこないます。

そのため、生理終了後から排卵日前までの間に検査を行います。

検査費用は1回あたり、およそ4,000円〜8,000円くらいのところが多いようです。

腹腔鏡検査

腹腔鏡は、おなかの外に1cm程度の穴をあけ、腹腔内を観察する内視鏡検査です。

超音波などでは見えない、卵管の異常などを直接観察することができます。

子宮卵管造影検査の結果が良好な場合でも、約20〜30%は、卵管異常の見落としがあるといわれています。

このような見落としも、腹腔鏡では見つけることが可能です。

腹腔鏡検査のタイミングや費用は?

腹腔鏡検査では、全身麻酔を使用しますので、日帰りでの検査はできません。

そのため、入院期間も1泊〜1週間程度必要です。

スムーズに回復できた場合でも、通常の生活に戻れるまでに、1〜2週間程度かかります。

また検査費用は、およそ50,000円〜200,000円程度が多いようです。

5. 卵管障害の治療法

卵管障害の治療には、症状や程度によってさまざまな方法が用いられます。

検査自体が治療になっている場合も

実は先ほど説明した検査の中にも、治療に繋がっているものがあります。

それが、子宮卵管造影検査・卵管通気検査・卵管通水検査です。

検査中に造影剤や、ガス、食塩水などを卵管に入れることにより、軽度の癒着を解消する効果があります。

これによって、卵管が通りやすくなり、妊娠の可能性が高まります。

検査での治療効果は期間限定

しかし、これらの検査で得られる治療効果は、半永久的なものではありません。

治療効果は期間限定のものであり、検査を受けてからおよそ6ヶ月程度、効果を発揮するといわれています。

腹腔鏡手術での治療

腹腔鏡手術は、腹腔鏡検査中に一緒に実施することができます。

腹腔鏡で骨盤腔を観察しながら、左右の下腹部から電気メスなどの医療器具を用いて手術を行います。

検査同様に全身麻酔で行われ、入院が必要となる手術です。

また、原因不明といわれている不妊の場合でも、この手術後に癒着が解消され、妊娠する確率が上がることが報告されています。

体外受精

不妊の原因が卵管の癒着と判明した時点で、体外受精にステップアップする方も少なくありません。

体外受精とは、卵子と精子を体外で受精させて、子宮に戻すという方法です。

このため、卵管は使用しませんので、卵管に癒着がある場合でも治療の必要がありません。

6. 卵管障害でも妊娠できる?

卵管障害は、妊娠にとって重要な場所である卵管の機能を低下させているため、卵管障害を放置すれば妊娠の可能性は低いです。

しかし、現代では詳細な検査が可能で、治療においてもさまざまな方法があります。

このため、しっかりと検査と治療を行うことで、妊娠の可能性を高めることができます。

自分の希望によって治療を変える

自然妊娠を望むか、あくまで早く妊娠することを望むかで、治療の方法も変わります。

治療を受ける本人やパートナーが目的を明確にし、治療法を医師と相談していくことが大切です。

まずは不妊検査で原因を明確に

原因を突き止め、治療を行うための第一歩として、不妊検査はとても大切です。

妊娠を希望しているのになかなか授からないという方は、まずは不妊検査を受けることから始めてみましょう。

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