赤ちゃんの麻疹(はしか)とは?原因・症状・治療・ケア・体験談

1. 麻疹ってどんな病気なの?

麻疹(はしか)は、子どもを持つと予防接種などでよく耳にする病名です。

日本では、年間約10万~20万人がかかってる病気です。

では、実際にどんな病気なのかはご存知でしょうか?

先進国の中で日本でだけ流行する病気

麻疹ウイルスは、予防接種によって世界的に撲滅が進められてきました。

それによって欧米諸国では流行しなくなりましたが、日本はそうではありません。

予防接種を受けていない人が多くいたので、麻疹は日本ではいまだに流行を繰り返しています。

子どもがかかりやすい病気

麻疹の感染者で最も多いのは、0~1才の子どもです。

2001年に日本で流行したときは約30万人が感染し、感染者の約半分が2歳未満の子どもでした。

2. 麻疹の原因

原因ウイルス

麻疹の原因は麻疹ウイルスです。

麻疹ウイルスに対する免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発病するといわれる、非常に感染力の強いウイルスです。

一度麻疹にかかると、終生免疫が獲得され、再度かかる可能性はほぼなくなります。

感染ルート

麻疹ウイルスは、通常10~12日間と非常に長い期間潜伏しています。

潜伏・発症している間に、保育園や家庭などで以下の感染ルートを通じて一気に感染が広がります。

接触感染

麻疹にかかった人の皮膚や口をはじめとする粘膜に、まわりの人が直接触ることで感染したり、タオルやおもちゃなどを共有することによって感染します。

飛沫感染

せき・くしゃみをした時や鼻をかんだ時に、ウイルスを含んだ唾液や鼻水が飛び散り、ほかの人が吸い込んで感染します。

空気感染

せきやくしゃみをほかの人が直接吸い込むのではなく、微粒子として空気で運ばれて伝染します。

3. 麻疹の主な症状と経過

1. カタル期

カタル期とは感染症において初期症状が出る期間です。

麻疹の初期症状は、37~38度の発熱が3~4日、せき、くしゃみ、鼻水といった一見すると風邪に似た症状が続きます。

カタル期の熱は、数日でいったん下がります。

2. 発疹期

カタル期を過ぎると、麻疹の症状が最も出る時期になります。

発熱

一度下がった熱が再び出ます。

これは2峰性の発熱といい、麻疹の大きな特徴と言えます。この発熱は3~4日は続きます。

せき

麻疹ではせき込むようなひどいせきが続きます。ひどいせきは体力を大きく消耗します。

そのため体力的にしんどい状態が続きます。

白目の充血・目やに

発熱とともに目が充血するようになります。結膜炎になり、目やにが多く出るようになります。

コプリック斑

頬の内側の粘膜に白いポツポツができます。これは麻疹特有の「コプリック斑」です。

コプリック斑が見えれば麻疹の診断がつきますが、斑があらわれる前は医師が診察しても麻疹と診断することは困難です。

発疹

次に顔や耳の後ろなどを中心に丸くて赤い発疹が出てきます。

赤い発疹は胸やおなか、背中そして足先へと全身に大きく広がっていきます。

体全体にできた発疹は、やがて発疹と発疹同士がくっついて網目状になるという特徴があります。

下痢

症状が続くと、中には下痢になる子どももいます。

せきと同様に、症状が続くと体力を大きく消耗しますので注意が必要です。

3. 回復期

からだ全体に発疹が全身に出たころになると熱も下がり、体力も回復していきます。

発疹は赤から紫色に変わり、じょじょに皮もむけていくので元の肌の色へ戻ります。

また発疹が痕に残ることはありませんので、安心して下さい。

4. 麻疹の合併症・後遺症

麻疹は体力の消耗が激しい上に、体内の免疫力が著しく低下します。

乳幼児や大人など関係なく、合併症を引き起こすリスクが高いので注意が必要です。

1. 脳炎

発疹が出て2~3日後に高い熱が続き、けいれんなどの意識障害を起こすことがあります。

2. 中耳炎

発疹期の発熱が4日以上続く場合は中耳炎への注意が必要です。

中耳炎は細菌による感染なので病院を受診しましょう。

3. 肺炎

発疹期の終わりになってもせきが残り、せき込むなど症状がひどいときは細菌による肺炎の疑いがありますので再受診しましょう。

4. 亜急性硬化性汎脳炎

麻疹を発症して5~15年経過した頃に、ごくまれに亜急性硬化性汎脳炎を発症することがあります。

子どもの落ち着きがない、集中力が落ちて成績が低下するなどの症状がみられる場合は、病院を受診してください。数年後に亡くなるケースもあります。

現在の医療では脳炎に対する根本的な治療法はありませんが、進行を抑制する薬は開発されています。

5. 麻疹の治療

薬の処方

最初にも書きましたが、麻疹そのものを治せる薬はありません。

発熱やせきなどの症状を和らげるための対症療法となります

病院を受診すると、解熱鎮痛薬やせき止めを処方してもらうことができます。

入院治療

ただし、薬や水分を口から摂取できないほど症状が重症のときや、重篤な合併症を起こしたときは入院となります。

合併症の治療

中耳炎や肺炎など、細菌感染が疑われた場合は抗菌薬も処方されます。

6. 麻疹のホームケア

せきや下痢といった体力を消耗しやすい症状が多いため、とにかく安静でいることが何より大切です。

看病にあたる場合は、症状の変化に特に注意が必要です。

1. 受診するときは病院に事前連絡を入れる

麻疹は感染力が非常に強いので、病院を受診するときは必ず事前連絡をしましょう。

先にも書いたように、麻疹と診断するためには発疹が出ていないとできませんが、保育園や学校などで流行しているときは感染が疑われる旨を伝えましょう。

2. 水分補給

発熱のときは脱水になりやすいのでこまめな水分補給を心がけましょう。

3. 発熱のケア

高熱が続く場合のクーリングのコツはわきのしたや太もものつけ根など「大動脈」がある部位を冷やすと効果的です。

また、病院に行くと、解熱剤を処方してもらうことができます。

ただ、発熱は、からだがウイルスと闘っている証拠なので、むやみに下げると回復が遅くなります。

熱で苦しんでいる時をのぞき、なるべく使用を避けましょう。

4. 食事

症状が辛いと食欲が落ちますが、水分をしっかり飲めていれば無理に食べさせることはありません。

食べられるようなら、消化のいいものを与えます。

下痢が続く場合も、消化の良いものや胃に負担をかけないものを選ぶことが大切です。

5. おふろ

湯船に浸かると体力を消耗しますから、熱などでぐったりしているときはおふろは避けましょう。

どうしても入浴したい場合はシャワーでさっと流すか、濡らしたタオルなどで体をふく程度にした方が良いでしょう。

6. 症状が落ち着いても完治ではない

せきや熱によって体力が低下しているので、症状が落ち着いたあともしばらくは休養が大切です。

特に、行楽地やテーマパークなど人が集まる場所への外出や旅行は、新たな感染を引き起こしかねませんので控えたほうがいいでしょう。

7. 登園・登校の目安

発疹がすべて紫色になり、熱やせきが落ち着いたら登園や登校が可能となります。

8. 完治後のほかの病気の予防接種について

麻疹にかかったあとの予防接種についての目安は、一か月以上あけることが望ましいです。

合併症など引き起こした場合も含めて、必ず医師に確認をしてから接種してください。

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9. 先輩ママの「うちの子の麻疹体験談」

東京都・3才5ヵ月の女の子・ひっとんママより

麻疹の予防接種は1歳になってから、きちんとしました。

ところが、3才1ヵ月のときに微熱で目のまわりとおなかにブッブツが出ました。

病院へ行くと、麻疹だとの診断で、抗菌薬を4日分出され、おふろは厳禁と言われました。

熱も高くはならず、ブツブツも10日ほどで治りました。

まわりには麻疹の人がいなくて、どこで感染したのかは不思議でした。

ですが、予防接種の効果で症状は軽く済んだのだと思います。

引用元:予防接種をしていたのに麻疹に感染しちゃった

岩手県・1才1ヵ月の男の子・幸ちゃんママより

息子が7ヵ月のときのことです。

夏の金曜日の夕方、急に発熱。連休前だったのですぐ近所の小児科を受診しました。

先生からは「風邪でしょう」と風邪薬と解熱薬が出されました。

土曜日に熱は下がったのですが、日曜日には胸と背中に赤いぶつぶつが出てきました。

熱が下がってから発疹が出たので突発性発疹と思い込んでいました。

連休明けの火曜日に再受診すると麻疹と診断されてとても驚きました。

発熱が始まってから6日後の水曜日も40度を超える熱が出たので、大きな病院に入院することになりました。

入院当日に母親の私(当時妊娠12週でした)も、麻疹にかかっていることがわかり、急きょ同じ病室に親子で入院することになりました。

息子は入院中は点滴と解熱薬を投与され、金曜日には退院できました。

幸い、私も重篤化することもなく無事に退院出来ました。本当に怒濤のような1週間でした。

引用元:突発疹かと思っていたら、麻疹!母親の私も感染。親子で入院しました

参考:病院で処方される薬